米Microchip Technologyは2026年10月8日、静電容量式のタッチボタン用コントローラーIC「MTCH3380P」と「MTCH3240P」を発売した。12個のAD変換器(電圧を数値に変える回路)を並列に動かし、多数のボタンやスライダー、回転式のダイヤルを同時に読み取る。同社によると、同社が「ターンキー」と呼ぶタッチ用コントローラーの製品群で、ボタンやスライダー、ダイヤル向けに並列の検出を取り入れたのは初めてだという。
背景にあるのは、家電や機器から画面を省く動きだ。同社によると、家電や機器のメーカーの多くが、コストを下げるため、画面を装飾付きのパネルと光るタッチボタンやスライダーの操作部に置き換えている。ただ、こうした操作部はタッチセンサーの数が多く、従来のコントローラーでは読み取りに時間がかかり、雑音にも弱くなる。
新製品は、複数のセンサーを同時に読み取ることで、この問題に応える。MTCH3380Pは、電極1つずつの容量の変化を測る方式で最大38個、2つの電極の間の容量の変化を測る方式で最大64個のセンサーを扱う。MTCH3240Pはそれぞれ最大24個と32個だ。同社は、センサーの数が増えても読み取りの時間が延びないとしている。
同社は、タッチの感度と雑音への強さも高め、厚いカバー越しでも、手袋をはめていても、タッチを確実に検出できるとうたう。想定する用途は、湿気や手袋での操作が多いオーブン、コンロ、冷蔵庫、洗濯機などの家電と、丈夫な保護カバーと寒さの中での動作が求められる電気自動車の充電器、駐車料金の精算機、キオスク端末だ。動作温度は最高105℃で、メーカーが家電の機能安全規格IEC/UL 60730のクラスBの認証を取る際にも対応する。
開発には、同社の開発環境「mTouch Studio」と評価用の基板を使える。同社は、機器側のLinuxとZephyrで使うドライバーも用意する。価格は1万個を買う場合の1個あたりで、MTCH3380Pが1.06ドル(約170円)から、MTCH3240Pが0.80ドル(約130円)からとなる。同社から直接、または販売代理店から購入できる。換算は2026年10月14日時点の1ドル=158円による。