ロボット掃除機メーカーMOVAの3Dプリンター部門AtomFormが、12本のノズルをカルーセル式に自動交換するFFF方式3Dプリンター「Palette 300」を2026年3月29日に発表した。現在予約を受け付けており、予約金50ドル(約8000円)を支払うと発売時価格として999ドル(約16万円)に確定できる。定価は2199ドル(約35万円)。発売は2026年第2四半期を予定しているが、具体的な日付は未発表だ。
最大の特徴は、同社が「OmniElement」と呼ぶ独自のノズル自動交換システムだ。カルーセルに収納した12本のノズルを順次取り付けることで最大12素材に対応する。公式サイトでは1回の切り替えで廃材を90%削減、交換速度を50%短縮できると謳っているが、いずれも1色・1素材の切り替え1回あたりの数値に限った条件付きの値だ。
フィラメント供給には「RFD-6」という独自ユニットを使う。6スプールの保管・給送と最大85℃の乾燥機能を一体化した設計で、印刷中の乾燥と給送を並行できる2ゾーン構造を持つ。本体には1台が付属し、最大4台まで増設できるため、最大36スプールを接続可能。また「ReadyPrint」フィーディングシステムにより、現在使用中のフィラメントとは異なる給送レイヤーに次色がある場合、ノズル交換と同時に次のフィラメントを待機させて無駄時間を削減する仕組みだ。
本体はCore XY構造で、造形サイズは300×300×300mm。最大印刷速度800mm/s、最大加速度2万5000mm/s²を仕様として挙げる。エクストルーダーの最高温度は350℃、チャンバー加熱は65℃まで対応し、PC(ポリカーボネート)やPPA(ポリフタルアミド)といったエンジニアリング素材も扱えるとしている。スライサーはOrcaSlicerをベースにした「AtomForm Studio」を使用する。また、モデルデータを公開・共有するプラットフォーム「AtomWorld」の構築も予告しており、デザイナーへの現金報酬制度を設ける方針という。
公式サイトでは「世界初の12ノズルカラー3Dプリンター」と名乗っているが、発表時点ではプロトタイプ段階にあり、実際の製品性能は発売後の検証が必要だ。