ドイツ・ブレーマーハーフェン応用科学大学の情報工学・経営情報学系の学生13人が、ヒューマノイドロボット「Pepper」を港湾都市ブレーマーハーフェンの観光案内向けにカスタマイズするプロジェクト「PepperMINT」を完了し、2026年3月26日に成果を発表した。
Pepperは高さ約1.2m、大きな目を持つ人型ロボットで、人の身振りや表情を認識しながら会話できる設計が特徴だ。学生チームはLLM(大規模言語モデル)のGeminiを音声処理に接続し、システムプロンプトでPepperの人格・回答範囲・話し方を定義した。「ブレーマーハーフェン、大学、情報デイに関する質問のみ答える観光の専門家」として設定しており、範囲外の質問には「ブレーマーハーフェンに関する情報しかお答えできません」と返す。音声出力には手を振るなどの事前プログラム済みのジェスチャーも組み合わせ、自然な対話を目指した。なおGeminiの代わりに、ローカルにホストしたLLMを使う構成も可能だという。
Pepperは固定型の情報端末ではなく、マップ上に設定されたウェイポイントへ自律移動できる。音声コマンドで操作でき、人や障害物との安全距離を維持するよう設定されている。また本体のタッチスクリーンに情報を表示することもでき、観光スポットを尋ねられた際にはウェブサイトのQRコードを画面に出すこともできる。
今回使用した機体は約10年前の旧型で、個人の再認識機能はない。学生チームはOSと現行ソフトウェアの統合という技術的な課題も乗り越えた。「初めてPepperと会話できたとき、私たちにとって特別な瞬間だった」とチームメンバーのNiklas Nakotte氏は述べている。
実証結果として、観光案内への適性は高いことが確認された一方、複数の来場者が同時に話す展示会・見本市などの賑やかな環境では認識精度が下がるという課題も判明した。次のステップとして、クルーズターミナルでの実地テストを含むマイクロプロジェクトが計画されている。