Categories: ニュース

燃費25%向上と推力20%増を飛行中に切り替え、Pratt & Whitneyが次世代戦闘機用適応型エンジン「XA103」の開発を加速

RTX傘下のPratt & Whitneyが、米空軍の次世代適応型推進(NGAP)プログラム向けに開発中の適応型エンジン「XA103」について、フルデジタル環境での設計手法を公開した。2026年2月18日付で発表した。

XA103は3ストリーム適応サイクルエンジンと呼ばれる設計で、コアとファンに加え第3のバイパス流路を備える。飛行中にこの3つの流路間で空気の配分を変えられる点が従来エンジンとの最大の違いだ。高効率モードでは第3ストリームにより空気のバイパス比を上げて燃費を改善しつつ冷却能力も高める。高推力モードでは空気をコアとファン側に集中させて最大出力を得る。従来の固定サイクルエンジンと比べ、燃費を最大25%改善し推力を最大20%向上させられるとPratt & Whitneyは説明している。

XA103が搭載される候補はBoeingが開発中の第6世代戦闘機F-47で、F-22の後継機にあたる。GE AerospaceのXA102と競合しており、2030年ごろに採用が決まる見通しだ。F-47の初飛行は2028年、実戦配備は2030年代を予定している。

開発の特長は、構想から製造までをフルデジタル環境で設計した初の軍用エンジンである点だ。Pratt & Whitneyはデジタル設計基盤の構築に3000万ドル(約47億円)を自社投資し、エンジニアやスタッフ1000人以上と国内100社超のサプライヤーが参加している。米空軍関係者を招いたデモでは、数百のデジタルセンサーを持つXA103のモデル上でセンサーを1つ無作為に停止させ、従来なら数時間かかっていた特定作業を数分で完了して見せた。技術データパッケージの提出速度は従来の2倍に達しているという。

予備設計審査と詳細設計審査はすでに完了しており、現在はプロトタイプ地上実証エンジンの組み立て準備段階にある。地上試験は2020年代後半に予定されている。

関連情報

FabScene編集部

FabScene編集部