Categories: ニュース

ビットコインを採掘するヒートベッド内蔵3Dプリンター、プロトタイプが公開

3Dプリント工場では、3Dプリンターが稼働していない時間は収益ゼロだ。米ノースダコタ州在住の機械エンジニアPizzAndy氏は、そのアイドル時間に着目し、ヒートベッドにBitcoinマイニングチップを組み込んだ3Dプリンター「Proof of Print」のプロトタイプをHeat Punk Summitで公開した。

発想の出発点はシンプルだ。3Dプリンターのヒートベッドは60〜100℃程度で動作し、マイニングチップも動作中に発熱する。ならばチップの熱をそのままベッドの熱源として活用すればいい、というものだ。

現行プロトタイプ(Papype One)は、Gecko Scienceのコーヒーウォーマーからハッシュボードを流用し、BM1362AKチップ4枚を組み込んだカスタムヒートシンク一体型ベッドに仕上げた。ベッドサイズは110×110mm。PCTG素材に対応する75℃設定時に平均500GH/sのハッシュレートを発揮する。

通常のマイニングでは効率の良いクロック速度を固定してファンで温度を管理するが、このプリンターは逆の制御をする。目標温度を先に決め、その温度に合わせてクロック速度を自動調整する仕組みだ。印刷素材が変わると設定温度も変わり、それに応じてハッシュレートも変動する。ファームウェアはCGminerをベースに、プリンターコントローラーとマイニングコントローラーを橋渡しするカスタムスクリプトを加えている。操作画面はKlipperにBitcoinタブを追加した形で、プール設定とマイニング状況を同一画面で確認できる。

次世代機では256 Foundationから供給を受けたBZM2チップ(S19J Pro相当の効率)を使ったモジュール式ベッドタイルを設計中だ。各タイルにチップ16枚を搭載し、4タイルを組み合わせると250×250mmの造形面積になる見通し。これはPrusa Core 1やBambu Labs X1Cに匹敵するサイズだ。期待ハッシュレートは10〜30THとされるが、電気エンジニアのUnknown Audi氏と共同で熱設計を詰めている段階で、量産前のエンジニアリングサンプルは1年後を目標にしている。

プリンター本体のフレームはオープンソース設計をベースにしており、Z軸と電子系のみ独自設計した。筐体はBitcoinオレンジに色合わせしたフィラメント(3D Fuel製)でプリントされている。詳細はproof-of-print.comで公開されている。

FabScene編集部

FabScene編集部