QIDIが個人向け3Dプリンター「Q2」を発表した。価格は早期購入者向けに6万4999円から開始し、段階的に値上げされる。9月17日以降の通常価格は7万2999円となる。造形サイズは270×270×256mm、最大移動速度600mm/s、加速度2万mm/s²に対応する。
「Q2」はノズル直上にレベリングセンサーを配置する方式を採用している。従来のプローブ方式と異なり、キャリブレーションオフセットが不要で、ベッド表面の変動や環境振動の影響を軽減するとしている。
機械構成は1.5GT高密度タイミングベルト、リニアガイドレール、全金属製CoreXYフレームを使用している。プリンターの外形寸法は402×438×494mm、重量は18.1kg(梱包時23.5kg)となっている。
別売の「QIDI BOX」マルチカラーシステムに対応し、4スプール使用で最大16色の多色印刷が可能だ。強化鋼製デュアルギアエクストルーダーを搭載し、カーボンファイバーやガラスファイバー複合材料の供給に対応している。
チャンバー加熱機能は最大65℃に対応し、ABS、PC、PA等の高温材料での印刷を可能にしている。ホットエンドは最大370℃まで対応し、セラミックスロートと放熱モジュールを搭載している。
フィルターシステムはG3プレフィルター、H12 HEPAフィルター、活性炭層の3層構成で、99.5%の微粒子除去性能を持つ。MET Laboratories認証(米国・カナダOSHA/NRTL基準)とIECEE CB認証を取得している。
監視機能にはAIカメラによるスパゲッティ印刷(造形失敗)検出機能を搭載している。閉ループ温度監視システムによる過熱保護機能も備えている。
対応フィラメントはPLA、ABS、ASA、PETG、TPU、PA、PC、カーボンファイバー・ガラスファイバー強化樹脂等に対応する。ノズル径は0.4mm(0.2/0.6/0.8mm選択可能)、フィラメント径は1.75mmとなっている。
接続方式は2.4GHz/5GHz Wi-Fi、イーサネット、USBに対応し、4.3インチタッチスクリーンを搭載している。対応スライサーはQIDI Studio、Orca Slicer、PrusaSlicer等となっている。
NFCによるQIDI純正フィラメントの自動認識機能を持ち、最適設定の自動適用が可能だ。PTCヒューズとデュアル温度センサーによる温度監視機能も搭載している。
Q2は同社の従来機Q1 Proと比較して20%の省スペース化と30%の造形容積拡大を実現している。QIDI公式ストアで販売されている。