Raspberry Piは2026年1月15日、生成AI向けアクセラレーターボード「Raspberry Pi AI HAT+ 2」を発売した。価格は130ドル(約1万8000円)で、Raspberry Pi 5に装着して使用する。記事初出時点では日本の公式リセラーを通じた販売時期や価格は公表されていない。
AI HAT+ 2は、Hailo製の新型ニューラルネットワークアクセラレーター「Hailo-10H」を搭載する。推論性能は40TOPS(INT4)で、8GBの専用RAMをボード上に備える。従来のAI HAT+(Hailo-8搭載、26TOPS)では対応できなかった大規模言語モデル(LLM)や視覚言語モデル(VLM)といった生成AIの実行が可能となった。
すべてのAI処理はRaspberry Pi 5上でローカルに完結し、ネットワーク接続なしで動作する。クラウドサービスを利用しないため、データのプライバシーとセキュリティを確保しながら、低遅延で推論を実行できる。
発売時点で以下のLLMがインストール可能となっている。DeepSeek-R1-Distill(15億パラメーター)、Llama3.2(10億パラメーター)、Qwen2.5-Coder(15億パラメーター)、Qwen2.5-Instruct(15億パラメーター)、Qwen2(15億パラメーター)の5モデルで、発売後により大規模なモデルも追加される予定だという。
LLMの実行には、HailoのDeveloper Zoneで提供されるhailo-ollamaバックエンドとOpen WebUIフロントエンドを使用する。ブラウザー経由でチャットインターフェースにアクセスし、質問応答やコード生成、翻訳といったタスクを実行できる。カメラストリームの映像をVLMで解析し、シーンを説明させることも可能となっている。
物体検出や姿勢推定、シーンセグメンテーションといったコンピュータービジョン系のタスクについては、8GBのオンボードRAMにより従来の26TOPS版AI HAT+と同等の性能を発揮する。Raspberry Piのカメラソフトウェアスタック(libcamera、rpicam-apps、Picamera2)との連携機能も引き継いでおり、既存のAI HAT+ユーザーは移行が容易だとしている。
AI HAT+ 2では、Hailo Dataflow Compilerを使用したモデルの再トレーニングに対応する。LoRA(Low-Rank Adaptation)ベースのファインチューニングにも対応しており、ベースモデルのパラメーターの大部分を固定したまま、特定タスク向けにLLMをカスタマイズできる。
Introducing the Raspberry Pi AI HAT+ 2: Generative AI on Raspberry Pi 5(Raspberry Pi)