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ラズパイのカメラセンサーが単体販売開始 小型機器への組み込み向けに15ドルから

Raspberry Pi財団は2025年7月7日、「Raspberry Pi Camera Module 3 Sensor Assembly」の販売開始を発表した。従来のCamera Module 3から基板部分を取り除き、センサー部分のみを単体で販売する製品で、価格は15ドルから。小型機器への組み込み用途を想定している。

Camera Module 3は2年半前の発売以来、教育現場から産業用途まで幅広く利用されてきた。しかし、組み込み用途では25×24mmの基板サイズが制約となるケースがあった。新製品はこの課題を解決するため、センサー部分のみを提供する。

4つのバリエーションを用意

新製品は従来のCamera Module 3と同じソニー製IMX708センサーを搭載し、11.9メガピクセルの解像度と位相差オートフォーカス(PDAF)機能を備える。4つのバリエーションが用意され、標準視野角(75度)とNoIR版(赤外線フィルターなし)がそれぞれ15ドル、広角版(120度)と広角NoIR版が25ドルで販売される。

NoIR版は夜間撮影や赤外線を利用したセキュリティ用途に適している。広角版は監視システムや野生動物の観察など、より広い範囲を撮影したい用途に向いている。

Raspberry Pi財団は顧客が独自の基板に統合できるよう、リファレンス回路図と部品表(BOM)を提供する。これにより、カメラ機能を必要とする小型デバイスの開発が容易になる。

Camera Module 3はすでに職場安全、野生動物保護、氷河安定性監視、製造品質管理、博物館教育など多様な分野で活用されている。センサー単体版の登場により、マイクロロボティクス、小型IoTデバイス、特殊医療機器など、これまで以上に小型化が求められる用途での利用拡大が期待される。

ただし、独自基板への組み込みには回路設計の知識が必要で、主に経験豊富な開発者や企業向けの製品となる。一般ユーザーには従来のCamera Module 3が引き続き推奨される。

新製品はRaspberry Pi公式サイトの認定販売店を通じて購入可能。単体での小ロット購入にも対応している。日本国内でも順次販売開始されることが予想される。

関連情報

Raspberry Pi Camera Module 3 Sensor Assembly製品ページ

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FabScene編集部

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