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Raspberry Pi Compute Module 5搭載の14インチノートPC「Argon ONE UP」がクラファン開始

Raspberry Pi用アクセサリーメーカーのArgon Fortyが、Raspberry Pi Compute Module 5を搭載したノートパソコン「Argon ONE UP」をKickstarterで発表した。14インチIPSディスプレイ(1920×1200、60Hz)を備え、従来のRaspberry Pi開発ボードをケースに入れただけの製品ではなく、本格的なノートパソコンとして設計されている。

「Argon ONE UP」は、64ビットARM Cortex-A76 @ 2.4GHzを搭載するRaspberry Pi CM5をベースとし、最大16GBのLPDDR4X-4267 ECC RAMと、オプションでeMMCストレージに対応する。メインストレージにはM.2 Key-MスロットでNVMe SSDを装着できる。

Argon Fortyは「IntelでもMacでもない、オープンソースのARM搭載Raspberry Piノートパソコン」として、メーカー、学習者、開発者向けに開発したと説明している。同社は2017年からRaspberry Pi用エンクロージャーやアクセサリーを開発している香港の企業。

GPIO接続可能な専用モジュールを開発

主な仕様は、Wi-Fi 5とBluetooth 5.0、USB 3.1 Gen 1ポート×2、USB-C Modified(改良型)ポート×2、HDMI 2.0ポート×1、2.0MP 1080p前面カメラ、デュアルマイクとステレオスピーカー、54Wh(4800mAh)バッテリー(6〜8時間駆動)となっている。

ノートパソコンでありながら、Raspberry Piの特徴である40ピンGPIOへのアクセスも可能だ。専用の「Argon ONE UP 40-pin GPIOモジュール」を開発し、改良型USB-Cポート経由で接続する仕組みを採用した。GPIOモジュール未接続時は、これらのポートは通常のUSB 2.0として機能する。

筐体はフルアルミニウム製で内蔵ファンを搭載し、CPUとM.2 NVMe用のArgon THRML(サーマル)ヒートシンクを装備する。対応OSはRaspberry Pi OS、Ubuntu、その他のDebian系フレーバーとなっている。

開発にあたって同社が克服した課題として、ノートパソコンに必要なバッテリー最適化、電源配分の調整、USB-C PD準拠の電源管理システムの構築を挙げている。市販の45W PD電源アダプターに対応し、55Wh定格エネルギー(4800mAh定格容量)のリチウムポリマーバッテリーを内蔵する。キーボードはUSまたはUKレイアウトを選択でき、Kickstarterバッカー限定でカスタムレーザーエッチングにも対応する。

価格は早期割引で300ドル(約4万4000円)から、標準価格は470ドル(約7万円)。出荷予定は2025年第4四半期としている。

関連情報

Argon ONE UP Kickstarterページ

FabScene編集部

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