Raspberry Piは2025年11月24日、SDカードやUSBストレージにOSイメージを書き込むツール「Raspberry Pi Imager」のバージョン2.0を公開した。UIをステップバイステップのウィザード形式に刷新し、リモートアクセスサービス「Raspberry Pi Connect」の事前設定機能を追加した。スクリーンリーダーなど支援技術への対応も強化している。
Raspberry Pi Imagerは2020年に初版がリリースされ、ラズパイを使い始める際の標準的なツールとして定着した。従来はOSカスタマイズ機能が別ウィンドウに隠れており、機能追加に伴ってフォームが肥大化していた。バージョン2.0ではこれを解消し、設定項目をメイン画面のウィザードに統合した。
セットアップは6つのステップで構成される。デバイス選択、OS選択、ストレージ選択、システム設定、書き込み、完了の順に進む。システム設定ではホスト名、ロケーション、ユーザーアカウント、無線LAN、リモートアクセス、Raspberry Pi Connect、インターフェースオプションを一括で設定できる。各ステップがウィンドウ全体を使って表示されるため、説明文やバリデーションのフィードバックを確認しやすくなった。
Raspberry Pi Connectの事前設定機能も追加された。イメージ書き込み時に認証を済ませておくと、ラズパイの初回起動時にすでにConnectアカウントへ接続された状態になる。画面共有やリモートシェルアクセスを最初から利用できるため、ヘッドレス環境でのセットアップが容易になる。
アクセシビリティ面では、すべてのコントロールにスクリーンリーダー向けのラベルを付与し、マウスなしでキーボードのみで操作できるようにした。色のコントラストにも配慮し、Raspberry Redを基調とした新配色で視認性を向上させている。
Raspberry Pi Imager 2.0はRaspberry Pi OS、Windows、macOS、Linux AppImageに対応する。2025年10月初旬からオープンベータを公開しており、フィードバックを反映した修正版2.0.1の準備も進んでいる。