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ラズパイ財団「M.2 HAT+ Compact」発表、公式ケース内にSSDを収納可能に

Raspberry Pi財団は2025年9月22日、「Raspberry Pi 5」向けの新しいM.2拡張ボード「M.2 HAT+ Compact」を15ドル(約2200円)で発売した。このボードは、2230フォーマット(長さ30mm)のM.2 PCI Express対応機器を、Raspberry Pi 5の公式ケースに収納できるよう設計されている。国内では、Raspberry Pi公式リセラーのスイッチサイエンスなどから2750円(税込)で販売されている。

「M.2 HAT+ Compact」は、2024年5月に発売された標準サイズの「M.2 HAT+」の小型版だ。標準版はActive Coolerとの併用は可能だが、公式ケース内にファンを取り付けた状態では収納できない問題があった。新しいCompact版では、ファンとUSBコネクター間のスペースにM.2デバイスをきれいに収納できる。

この製品の最大の特徴は、FPCケーブルとソケットを単一のフレキシブル基板(flex-rigid PCB)に置き換えた点にある。Raspberry Pi財団によると、この技術の採用は同財団として初めてだという。この設計により、限られたスペースへの実装が可能になった。

画像出典元:プレスリリース

「M.2 HAT+ Compact」は2230サイズのM.2 M keyデバイスに対応し、シングルレーンPCIe 2.0インターフェースにより最大450Mbytes/sの高速データ通信が可能だ。Raspberry Pi HAT+仕様に準拠しており、最新のRaspberry Piソフトウェア・ファームウェアによる自動検出に対応している。

対応するSSDについて、Raspberry Pi純正のNVMe SSDシリーズはすべて2230フォーマットのため、1TBモデルを含むすべてのモデルが使用できる。ユーザーが独自に用意したPCI Expressデバイスも使用可能だ。製品にはスペーサーとネジが付属し、公式ケースに取り付ける前にM.2 HAT+ CompactをRaspberry Pi 5に固定できる。

重要な点として、このCompact版はActive Coolerとの併用はできない。公式ケース内で使用する場合は、ケースに付属のファンを使用する設計となっている。GPIOピンへのアクセスも可能で、Touch Display 2への電源供給などにも対応している。

Raspberry Pi財団のEben Upton氏は、Raspberry Pi 5が2023年10月の発売から2年を迎えることに触れ、同製品がPCI Expressインターフェースを搭載した同財団初の製品であることを強調。発売後、さまざまなサードパーティ製の周辺機器やアダプターが登場したことにも言及している。

標準版のM.2 HAT+はAI KitやSSD Kitの基盤となっており、ケースを使用しないか、より大きなエンクロージャーを使用する場合には優れたソリューションとなっている。一方、新しいCompact版は、美観を損なわずに高速I/O性能を実現する、ケース入りRaspberry Pi 5向けのソリューションとして位置づけられている。

日本国内では、Raspberry Pi財団の公式リセラーであるスイッチサイエンス、ケイエスワイ、共立エレショップなどから購入できる。

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FabScene編集部

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