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ラズパイZero 2Wで動く3Dプリント製防犯カメラ、AI検知と暗号化配信を同時処理

市販の防犯カメラの多くは、映像をメーカーのクラウドサーバーに送信して保存する仕組みになっている。つまりユーザーは、自宅の映像を第三者のサーバーに預けることを事実上余儀なくされている。

この問題に向き合ったのが、開発者のPaul氏(GitHub: therealPaulPlay)だ。Raspberry Pi Zero 2Wをベースにしたオープンソースの防犯カメラ「ROOT Observer」を開発し、3Dプリントで製作した筐体の第2プロトタイプをr/raspberry_piに投稿した。

ROOT Observerが採用するのは「ローカルファースト」の設計だ。録画データはすべてカメラ本体のmicroSDカードに保存される。外部からカメラにアクセスするためのリレーサーバーは通信の中継のみを担い、暗号化されたデータを復号する手段を持たない。エンドツーエンド暗号化とフォワードセクレシーを実装することで、サーバー側では映像の内容を一切参照できない構造になっている。

映像の解析もデバイス上で完結する。ONNXランタイムとNanoDet Plus m 1.5xモデルを使い、人物・ペット・車両を検知してiOS/Androidへ暗号化プッシュ通知を送る仕組みだ。動画ストリーミング、録画、AI検知、ファイル転送をすべて同時処理しながら、CPU使用率は最大でも約60%に抑えられているという。

自作する場合に必要なのはRaspberry Pi Zero 2W、対応カメラモジュール、32GB以上のmicroSDカードだ。オプションでUSBマイクやパッシブブザーも取り付けられる。セットアップはRaspberry Pi Imagerでファームウェアをフラッシュし、ROOT Connectのウェブアプリから設定するだけで、プログラミングの知識は不要だ。リレーサーバーはDigital Oceanへのワンクリックデプロイに対応しており、自前で立てることもできる。

筐体のSTLファイルはまだ調整中で公開準備中だが、Paul氏はBambu Lab公式アプリなどに公開されている既存のRaspberry Pi Zero 2W向けカメラハウジングでも問題なく動作すると述べている。現在は屋内用としての設計で、屋外防水モデルは将来の課題だという。

プロトタイプは入手待ちリスト経由でテスター向けに順次送付される予定。ファームウェアとリレーサーバーのソースコードはすでにGitHubで公開されており、手元のRaspberry Pi Zero 2Wがあれば今すぐ試せる状態にある。

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FabScene編集部

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