Jeep・Fiat・Peugeot・Chryslerなど14ブランドを傘下に持つ自動車大手StellantiとQualcommは2026年5月21日、複数年にわたる技術提携の拡大を発表した。StellantiのすべてのブランドにわたるStellantis次世代車両に、Qualcommの車載向けSoC(システムオンチップ)群「Snapdragon Digital Chassis」を搭載する多年度契約を締結した。
今回の拡大提携の中核となるのは、コックピット・通信・ADAS(先進運転支援システム)を担うSnapdragon Digital ChassisとStellantiの車載電子・ソフトウェア基盤「STLA Brain」の統合だ。ADASについては「Snapdragon Ride Pilot」プラットフォームを採用し、車線維持や緊急ブレーキといった基本的な安全機能から、ハンズフリーでの高速道路走行を実現するL2+自動運転まで、段階的にスケールアップできる設計になっている。世界数百万台規模のStellantiの車両群に同一の技術基盤を敷くことで、開発コストの削減と認証プロセスの共通化を図る。
より注目されるのは、Stellantisが傘下に持つ自動運転AI開発会社「aiMotive」をQualcommが取得する意向に関する非拘束的覚書(LOI)の署名だ。aiMotiveはハンガリーを拠点に自動運転向けAIスタックを開発してきた企業で、StellantiのADAS技術の中核を担ってきた。今後の規制当局の承認などの諸条件を前提に、QualcommはaiMotiveの人材・技術を取り込み、自動車向けソフトウェア開発力を強化する構えだ。