スイッチサイエンスは、DFRobot社のmicro:bit対応STEMロボット教材「Maqueen」シリーズの日本語パッケージ版を発売した。上位モデル「Maqueen Plus V3」(1万3244円、税込)とエントリーモデル「Maqueen Lite V5」(6369円、税込)の2製品で、説明書と外箱を日本語化している。MakeCodeによるビジュアルプログラミングに対応し、学校教育やロボットコンテストでの活用を想定した設計だ。
「Maqueen」シリーズは、micro:bitで動かせる小型ロボットとして登場し、初学者に人気を博したSTEM教育向けプラットフォームだ。ライントレースや障害物回避といった基本機能を備え、ビジュアルプログラミングを通じてロボティクスやセンサー技術を体系的に学べる。学年や目的に応じてステップアップしながら学びを深められる構成になっている。
「Maqueen Plus V3」は、より高度な制御と探究学習に対応した上位モデルだ。最大の特徴は、マトリックスレーザー測距センサーとモーターエンコーダーの搭載にある。
マトリックスレーザー測距センサーは8×8の64ポイントで、測距範囲は20~4000mm、検出角度は60度(水平)×60度(垂直)だ。このセンサーにより周囲認識が可能になり、障害物回避といった複雑な経路制御が実現できる。
モーターエンコーダーは磁気誘導方式で、PID制御と組み合わせることで走行距離と回転角を高精度に制御する。直進や旋回の安定性が大幅に向上し、交差点の判別や障害物回避といった複雑な経路制御が可能になった。
ライントレーサは5点式で、ライントラッキングアルゴリズムと交差点認識アルゴリズムを組み込んでいる。交差点、T字路、右折と直進、左折と直進の4種類を認識できる。I2Cポートは3系統に拡張されており、AIカメラHUSKYLENSなどのモジュール接続に対応する。
モーターは2基のN20メタルギアモーターで、PH2.0-2Pコネクタで接続されている。ねじで固定されているため、モーターが損傷した場合でも迅速に交換できる。電源は単三電池4本で動作する。
「Maqueen Lite V5」は、micro:bitを活用したプログラミング教育に適したエントリーモデルだ。最新のV5では、細かくパラメータ調整された金属製モーターを採用し、より安定した走行が可能になった。
ライントレーサは3プローブセンサーアレイで、事前キャリブレーション済みのアルゴリズムを搭載している。単一プログラムブロックでスムーズなナビゲーションを実現し、生徒がプログラミングの成功体験を得やすいよう設計されている。
障害物回避やライト表示、センサー読み取り、画像切り替えなどの処理を同時に行いながら、ライン追跡を実行できるマルチタスク機能も備える。モーター、バッテリーボックス、ホイールが取り付け済みで出荷されるため、組立作業が不要だ。
フルカラーアンビエントライト4個(WS2812採用)を搭載し、RGB各色256階調で設定できる。2つの光強度センサーで光源の位置を検出し、光を追ったり避けたりする動作を制御可能だ。電源は単四電池3本で動作する。
両モデルともMicrosoft MakeCodeなどのビジュアルプログラミング環境に対応しており、プログラミングの基礎と動作制御を体感的に学べる構成になっている。
Maqueen Plus V3(日本向けモデル) – スイッチサイエンス
Maqueen Lite V5(日本向けモデル) – スイッチサイエンス