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CQ出版、光エレクトロニクス技術を網羅した「トランジスタ技術SPECIAL No.173」を発売

CQ出版は2025年12月27日、「LED・センサから始める光のエレクトロニクス」と題した「トランジスタ技術SPECIAL No.173」を発売した。フォトダイオードやLEDの基礎から、フォトカプラによる絶縁、レーザー、LiDAR、光電子増倍管まで、光エレクトロニクス技術を7部構成で解説する。

光エレクトロニクスは電気信号では実現できない機能を提供する。高速通信、ノイズに強い絶縁、非接触での測距など、応用範囲は広い。半導体技術の進化に伴い、関連部品も小型化・高性能化が進んでいる。

第1部「光と光エレクトロニクス超入門」では、光センサの選び方とフォトダイオードの基本を扱う。エネルギーバンド構造やフェルミ準位といった半導体物理の基礎から、出力電流を正しく測定するためのトランスインピーダンスアンプ方式まで解説する。

第2部「LED入門」では、発光色とバンドギャップエネルギーの関係、照明用途での演色性や色温度の考え方を取り上げる。

第3部「奥深い光と色の物理」では、色覚のメカニズム、秋月電子で購入できる浜松ホトニクス製分光器C12880MAを使ったスペクトル分布計の製作、赤外線・紫外線の特性と応用を紹介する。反射、レンズの結像、偏光といった光学の基礎も含む。

第4部「絶縁フォトカプラ」では、パワーエレクトロニクスで重要性が増している光絶縁技術を扱う。トランジスタカプラの基本から、最高50Mbpsの高速通信用フォトカプラ、IGBT/MOSFETドライバカプラまでカバーする。

第5部「レーザと光通信のエレクトロニクス」では、レーザーダイオードの特性と注意点、帯域50MHzの駆動回路、数十km先まで通信可能な光ファイバ受信アンプ回路を解説する。

第6部「測距のエレクトロニクス」では、秋月電子で購入できるToF距離センサVL53L0Xの使い方、ロボットや自動運転で活用されるLiDARの基礎、ToFカメラの原理を紹介する。

第7部「微小光のセンシング技術」では、光子1粒から検出可能なMPPC(マルチピクセルフォトンカウンター)や、カミオカンデでニュートリノ検出に使われた光電子増倍管のメカニズムを解説する。

本書は「トランジスタ技術」誌に掲載された記事を再編集したもので、PDF版も同時発売している。

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FabScene編集部

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