バイオリンのアンサンブルで息を合わせるのは難しい。演奏者は互いの音を聴き、動きを目で確認しながらタイミングを調整する。だが、もし自分の腕の動きが相手の腕の動きと「触覚」で直接つながっていたら、どうだろうか。
ゲント大学とイタリアのUniversità Campus Bio-Medico di Romaなど複数の研究機関の共同チームが、その問いを実験で確かめた。研究成果はScience Roboticsに2026年3月11日付で掲載された。
研究チームは、上腕(肩と肘の動き)をサポートする外骨格ロボットを2台作り、バイオリン奏者に1台ずつ装着させた。2台の外骨格は無線で連携しており、片方の奏者が腕を動かすと、もう片方のロボットがその動きとのズレを力として伝える仕組みだ。奏者は相手の動きを「触感」として感じながら演奏できる。
20組のバイオリン二重奏を対象に4つの条件——音のみ、音と視覚、音と触覚(外骨格)、音と視覚と触覚——で演奏を比較した結果、触覚フィードバックを加えた条件が最も高い協調性を示した。とくに「音と視覚と触覚」の組み合わせがすべての指標で最高スコアを記録し、「音と触覚」だけでも「音と視覚」を上回った。この外骨格を初めて使う奏者でも、互いにつながっていることを知らされていなくても、効果は明確に現れた。
研究チームは、この技術の応用可能性はバイオリン演奏にとどまらないと指摘する。リハビリテーション、スポーツトレーニング、遠隔での技能伝達、さらには工場での人間と機械の協調作業など、2人の人間または人間と機械が動作を合わせる必要がある場面全般に応用できるという。