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CO2最大95%削減、アンモニア燃料で動く2ストローク舶用エンジンが初の船舶搭載——スイスWinGDがEXMAR向け運搬船に

スイスの舶用エンジン設計会社WinGDが、アンモニア燃料対応の2ストロークエンジン「X52DF-A」を船舶に搭載した。アンモニア燃料で動く2ストローク舶用エンジンの搭載は世界初となる。

搭載先はベルギーの海運会社EXMARが発注した4万6000立方メートルのLPG/アンモニア運搬船で、韓国のHD Hyundai Mipo造船所で建造中の同型4隻のうち1隻目だ。エンジンはHD Hyundai Heavy Industries Engine & Machinery(HHI-EMD)が製造した。

X52DF-Aはシリンダー口径520mm、ストローク2315mmの大型エンジンで、5〜8気筒構成で5100〜1万4480kWの出力に対応する。高圧でアンモニアを噴射し、パイロット燃料としてディーゼルをフルロード時に約5%だけ使う。アンモニアモードとディーゼルモードの両方で運転でき、負荷応答や燃費はディーゼル専用エンジンと同等だという。

排出面では、アンモニア運転時のNOx排出量がディーゼル運転時を下回り、温室効果ガスのN2O排出もごくわずかだった。WinGDはtank-to-wake(燃料タンクから排気まで)で最大95%のCO2削減が見込めるとしている。

2026年1月にはHHI-EMDの施設で型式承認試験(TAT)と工場受入試験(FAT)を完了した。船級協会のLloyd’s Registerが立ち会い、EXMARの監督のもとで試験を実施した。EXMARはアンモニアの貨物輸送で40年以上の実績があり、2021年からアンモニア燃料の開発を進めてきた。今後数か月以内にアンモニア燃料での海上試験に入る予定だ。

WinGDはX-DF-Aシリーズで約30基の受注を抱えており、ガス運搬船のほかばら積み船やタンカー、コンテナ船にも採用が広がっている。

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FabScene編集部

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