PC、タブレット、スマートフォン。扱うデバイスが増えるほど、入力環境の管理は面倒になっていく。お気に入りの有線キーボードでも、そのままiPadやiPhoneで使えるとは限らない。フットスイッチやゲームコントローラーのようなUSBデバイスも、端子の形が合わないだけで活躍の場を失ってしまう。せっかくの資産が、端子や接続方式の違いだけで使えなくなるのはもったいない。
そんな悩みを解決するのが、ビット・トレード・ワンの「USB2BT PLUS」だ。有線USBデバイスをBluetooth接続へ変換し、スマートフォンやタブレット、PCで利用できるようにしてくれる。さらに最大3台のデバイスをワンタッチで切り替えられるため、キーボード1台で複数のAIエージェントを行き来するといった、今どきのマルチデバイス環境も手軽に構築できるアイテムだ。
USB2BT PLUSは、キーボードやマウス、ゲームパッドなどのUSB HIDデバイスをBluetooth接続へ変換するアダプターだ。USB HIDは、人がコンピューターへ入力するためのUSB機器の共通規格で、一般的な入力デバイスの多くが対応している。USB2BT PLUSが対応するのは、その中でもUSB Type-Aで接続する機器だ。
本体サイズは76×35×16mm、重量は約50g。設定用ソフトはWindowsのみ対応しているが、最大3台まで登録できる接続先デバイスはWindows・Mac・iOS・Androidと幅広い。
先行モデルからの累計販売台数は1万2000台を超えるロングセラー製品だ。今回利用したのは、設定用PCとの接続および給電ポートとしてUSB Type-Cを採用した、2025年8月発売の最新モデル「USB2BT PLUS Type-C」だ。ビット・トレード・ワン公式オンラインショップで税込8778円(記事初出時の価格)で販売されている。
まず試したのは、最もポピュラーな使い方である、有線キーボードの無線化だ。自作キーボードなどお気に入りの一台を使っていても、接続先の端子や有線接続がネックになることは少なくない。USB2BT PLUSなら、使い慣れたキーボードをそのままワイヤレスで利用できる。
設定は、製品ページで公開されているWindows用の専用アプリから行う。あらかじめ、無線化したいキーボードはUSB2BT PLUSのType-Aコネクタに接続しておく。その後、USB2BT PLUSと設定用PCをUSB Type-Cケーブルでつなぐ。アプリ上の「接続」をクリックし、表示が「接続OK」となれば準備完了だ。
続いて、「このアプリからペアリング」の「検索」をクリックし、接続先となるスマートフォンやタブレットを追加する。接続先が見つかると「現在の設定」欄に端末が表示されるので、これをダブルクリックして、Dev1・Dev2・Dev3のいずれかに割り当て、スマートフォン側でペアリングを実行する。
これで、キーボードからUSB2BT PLUSを経由してDev1に登録したスマートフォンへ接続できるようになった。USB2BT PLUS本体で「DEV1」が選択されていることを確認し、実際にiPhoneへと入力してみる。
長年使い慣れた有線キーボードが、そのままiPhoneで使えるようになった。ソフトウェアキーボードでは入力しづらい日本語の長文も、物理キーボードなら軽快に入力できる。
設定用PCから外して利用する場合には、USB Type-C出力に対応したモバイルバッテリーやACアダプターから給電する。一度PCからの接続を外しても、ペアリング情報はUSB2BT PLUS本体に保存されるため、以降は設定をやり直す必要はない。
USB2BT PLUSが対応するのは、キーボードやマウスだけではない。USB HID規格に対応した、さまざまな入力デバイスを無線化できる。
その一例がフットスイッチだ。足元のペダルを踏むことで、あらかじめ設定したキー入力を送出する入力デバイスで、動画編集の再生・停止やページ送りなどに利用されることが多い。
キー入力やマウス操作、ショートカットキーの割り当ては各メーカーの設定ソフトで行うが、その内容はUSB2BT PLUSのアプリ上でも確認できる。今回使用したフットスイッチには初期設定で「b」が割り当てられていたため、「Enter」へ変更したうえでiPhoneと接続した。
スライド送りを試したところ、足元だけでページを進められた。手を離せないプレゼンテーションはもちろん、タブレットに表示した楽譜のめくりにも活用できる。複数のキー入力に対応したフットスイッチや、USB HIDデバイスとして認識されるゲームコントローラーなど、他にも対応する機器は幅広い。
こうした応用は、すでに市販製品にも組み込まれている。iPad・iPhone向けのコミュニケーションアプリ「指伝話」用の「スイッチ接続キット」には、無線通信部にUSB2BT PLUSが採用されており、身体に障害のあるユーザーのITデバイス活用を支えている。医療・福祉の現場で採用されていることからも、USB2BT PLUSの活用範囲の広さがうかがえる。
USB2BT PLUSの大きな特徴が、最大3台のデバイスを登録し、ワンタッチで切り替えられることだ。1台目と同様の手順で登録した後は、本体に刻印された「Dev1」「Dev2」「Dev3」のボタンを押すだけで、入力先を切り替えられる。
Bluetooth接続先は3台まで登録できるが、設定用PC自体も入力先として設定できる。登録の際は、リストから「このPC(USB接続)」を選択し、これまでと同様にDev1〜Dev3のいずれかへ割り当てればよい。
今回は、1台のキーボードからiPhone(無線)、iPad(無線)、設定用PC(有線)の3台を操作できる環境を構築した。
3台を使い分ける活用例として、それぞれのデバイスでAIエージェントを動かしてみた。PCではChatGPT、iPadではGemini、iPhoneではClaudeを起動し、ボタンを押して入力先を切り替える。
マルチディスプレイで複数のウィンドウを開く方法もあるが、マシンスペックやOSの違いを考えると、端末ごとに役割を分担した方が効率的な場面も多い。Windows・macOS・iOS・Androidなど、異なるOSを使い分ける開発環境でも有効だ。
最後に、設定アプリには、設定用PCのキーボードで他端末に入力する機能も用意されている。「スマフォへキー入力」の項目にマウスカーソルを合わせた状態でキーを押すと、USB2BT PLUSで選択中のデバイスへ直接入力できる。ペアリング直後の動作確認などを、キーボードを持ち替えることなく行える便利な機能だ。
USB2BT PLUSは、手元にある有線USBデバイスの活用範囲を広げてくれるアイテムだ。
お気に入りの有線キーボードをスマートフォンやタブレットで使いたい、自作キーボードをワイヤレス化したい、といった定番の用途はもちろん、フットスイッチやゲームコントローラーなどのUSB HIDデバイスを無線で活用できる点も魅力だ。さらに、最大3台のデバイスをワンタッチで切り替えられるため、PC・タブレット・スマートフォンを使い分けるワークスタイルとも相性が良い。
近年はUSB Type-Aポートを備えない機器も増えているが、だからといって使い慣れた入力デバイスを手放す必要はない。USB2BT PLUSがあれば、手元のUSB機器に新しい活躍の場を与えられる。長年使ってきたお気に入りのデバイスを、これからも使い続けたい人にこそ、試す価値がある製品だ。
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