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放射線も磁場も測る『スタートレック』のトリコーダー、米大学教授が14年かけ開発

SFドラマ『スタートレック』の登場人物が未知の惑星に持ち歩く観測装置「トリコーダー」を、市販のセンサーの組み合わせで形にした「Open Source Science Tricorder Cyberdeck」の設計が公開された。作ったのは米アリゾナ大学教授のPeter Jansen氏で、教育普及の一環として2012年からオープンソースのトリコーダーを作り続けている。これまでの設計は約12種類あり、資料をそろえた正式版としては今回が4つ目になる。

土台は、ClockworkPiの手のひらサイズの端末「uConsole」だ。画面とキーボードを備え、Raspberry PiのモジュールでLinuxが動く。ここに、80×62画素の熱画像カメラ、浜松ホトニクスの小型分光器「C12666MA」、磁場の強さを8×8画素の画像にするSparkFunの磁気イメージングタイル、放射線検出器「Pomelo」を載せた。分光器は340〜780nmの光を256チャンネルに分けて測り、実際の分解能は約15nmだ。Pomeloは放射線を光に変える結晶を使い、放射線の強さだけでなくエネルギーの違いも見分ける。このほか二酸化炭素や空気中の微粒子などを測る環境センサーも備え、ESP32を載せた自作基板がまとめて読み取る。

2014年に公開した前の正式版「Arducorder Mini」は、専用の基板で固めた作りだった。今回は、ほかの人が同じものを作りやすいように、自作の基板を減らして市販品を使う方針をとった。画面や入力は既製の端末に任せ、そこにセンサーを後付けしている。その代わり、本体は必要以上に大きくなったと同氏は書いている。

同氏によると、これは試作品であり製品ではない。電池は1〜2時間しかもたない。磁気イメージングタイルは毎秒2万コマまで撮れるが、ESP32がすべてのセンサーを順番に読む仕組みのため、画面の更新は今のところ毎秒1コマ程度にとどまる。製作費は、uConsoleと関連部品で300〜400ドル(約4.7万〜6.3万円)、センサーなどで約1000ドル(約16万円)かかり、中でも分光器と放射線検出器が高価だという。

3Dプリント部品と基板の設計データ、資料はGitHubでCC BY 4.0(クリエイティブ・コモンズ表示4.0ライセンス)のもと公開している。操作画面のPythonプログラムは、大半をAIで生成したという。

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FabScene編集部

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