市販のデジタルカメラは中身に手を入れにくく、部品を選んで組み替える楽しみは少ない。ある高校生の開発者は、Raspberry Pi Zero 2 Wと純正のカメラモジュール3を土台に、手のひらに載る小さなデジタルカメラを一から自作した。既製品を分解するのではなく、必要な機能だけを備えた最小限のカメラを、部品から組み上げること自体を狙ったという。プロジェクト名は「PiShot」で、設計データ一式を公開しており、本人は完全なオープンソースだとうたう。
ケースはShapr3Dで設計し、PLAで印刷した。特徴は、部品をスライド機構で丸ごと着脱できるモジュール式にした点だ。グリップや、いまはまだ機能しないファインダー、三脚に取り付けるための拡張パーツを、必要に応じて付け外しできる。用途や好みに合わせて本体の形を組み替えられるほか、壊れた部品だけを交換したり、あとから機能を足したりしやすくなる。
電源は本体に内蔵する。18650型のリチウムイオン電池(3.7V、1500mAh)を、充電モジュールのTP4056で充電し、昇圧回路のMT3608で5Vに持ち上げて各部へ配る。表示は当初、簡素な文字表示のI2C接続の画面を考えたが、きちんとした操作画面を組みたいとして、ST7789を使う1.3インチ(240×240)のSPI接続カラー液晶に変えた。操作は複数の押しボタンで受け持つ。
いまのファームウェアは、撮った画像を本体のmicroSDカードに保存するところまで動く。開発者は夏休みの次の目標として、SDカードを抜き差しせずにWi-Fiで写真を自動転送する仕組みづくりを挙げる。設計データやファームウェア、部品表はGitHubで公開しており、同じような自作に挑む人が下敷きにできる作りだ。本人は、次に加えるとよい機能について、見た人からの助言も募っている。