Categories: 工作・開発

配管の製作図を描く「Spoolyard」公開、規格の寸法1万5000行を同梱

配管の経路を寸法どおりに描くと、管ごとの切断長と部品表が出てくる。そんな配管製作図のエディター「Spoolyard」が、2026年10月9日にGitHubで公開された。作ったのはカナダのBraedon Saunders氏だ。Spoolyardは、同氏の建設工事見積もりソフト「BidWright」にも組み込まれている。

Spoolyardが描くのは、配管のアイソメ図とスプールの製作図だ。アイソメ図は、配管の経路を斜めから見た立体として表す図を指す。スプールは、工場であらかじめ溶接して組み立てる配管のひとまとまりのことだ。

利用者は、等角の方眼紙の上で6方向から向きを選び、長さを数字で打ち込んで配管を引く。曲がり角や分岐には、選んだ配管仕様に合うエルボ(曲がりの継手)やティー(T字の継手)が自動で入る。斜めにずらす配管も、XYZの座標で引ける。

切断長は、製作にそのまま使える値として出すとREADMEは説明する。図の上の長さは管の中心線の長さで、実際に切る管はそれより短くなる。Spoolyardは、中心線の長さから継手が占める長さと溶接のすき間(ルートギャップ)を差し引いて切断長を出す。差し引く値は、管の端を突き合わせ溶接、差し込み溶接、ねじ込みのどれにするかで変える。

Spoolyardは寸法の元になるデータも同梱する。炭素鋼とステンレス鋼の配管仕様を11種収め、米国の規格ASME B16に基づく管、フランジ、バルブなどの寸法が約1万5000行ある。各行は利用者が編集できる。部品ライブラリーには168種の部品と図記号がある。

工場で溶接する箇所と現場で溶接する箇所には、Spoolyardが番号を振って溶接マップにまとめる。図面はスプールごとのPDFで出力し、材料・切断・溶接の一覧も付く。書き出し形式はほかに、AutoCADの形式であるDWG、DXF、プラント設計ツール向けのPCF、SVG、CSVがある。

同氏は図面ファイルに配管仕様ごと埋め込み、図面1つで内容が完結するようにした。

ブラウザー版は、図面を利用者の端末に保存する。デスクトップ版はmacOS、Windows、Linux向けのインストーラーをGitHubで配布している。コード署名はまだなく、初回起動時に警告を回避する操作が要る。ライセンスはAGPL-3.0で、DWGの書き出しにはGNU LibreDWG(GPL-3.0)を使っている。

関連情報

FabScene編集部

FabScene編集部