指の関節ごとに曲がり具合を測り、腱を引いて指を動かすこともできる手の外骨格が「TAKTO ONE」として公開された。作ったのはJuan Sebastian Molano Cortes氏で、ドイツのHochschule Anhaltでのバイオメディカルエンジニアリングの修士論文のために設計・製作し、2026年9月にオープンソース化した。
同氏によると、カメラで指の動きを追う方式は、指が交差したり、握り込んだり、視野から外れたりすると指を見失う。曲げセンサーを使った手袋は、測った値が少しずつずれていく。同氏はこの2つを課題に挙げ、関節に角度センサーを置く方式を選んだ。
TAKTO ONEは、親指を除く4本の指に3個ずつ、合計12個の磁気式の角度センサーを載せている。測るのは、指の付け根の曲げと横への開き、第2関節の曲げだ。センサーが関節の角度を直接読むので、指が隠れても照明が悪くても測れると同氏は説明する。
指を動かす側では、前腕に並べたサーボモーターが指ごとの腱を引く。同氏は制御に外骨格に載せたTeensy 4.1を使い、パソコンをつながなくても動くようにした。測った値はSDカードに記録できる。同氏は2026年10月14日に、12個のセンサーの値でMeta Quest 3Sに映した手の3Dモデルを動かすところまで確かめた。
同氏は未完成の部分も明記している。製作費を自分で払ったため、取り付けたサーボモーターは2個にとどまる。全部の指の駆動は、この2個で試したという。指に返す力の大きさや遅れはまだ測っておらず、親指の機構もない。医療機器ではないとも断っている。
部品代は、サーボモーター8個を含む全機能版が1222.25ユーロ(約22万円)で、そのうちサーボモーターが1040ユーロ(約18万円)を占める。腱で動かす部品を省いて測るだけに絞った「TAKTO Lite」は164.48ユーロ(約2万9000円)だ。どちらも別に2種類の基板が要り、同氏がJLCPCBに1回で発注した費用は170.73ドル(約2万7000円)だった。
同氏はリポジトリに、3Dプリントする71点の部品データ、KiCadで設計した基板、ファームウェア、部品表を収めた。ライセンスは、ソフトウェアがApache-2.0、ハードウェアがCERN-OHL-S-2.0、文書がCC BY 4.0となっている。