砂を盛ると山が、溝を掘ると川や湖が、その場に映し出される机上の「ARサンドボックス」を、「UncleStem」と名乗る製作者が自作した。眼鏡やゴーグルは要らず、砂の形に合わせて等高線の地図がリアルタイムで変わる。
きっかけは、UCLAの研究者が深度センサーカメラとプロジェクターで砂に地形を投影する展示だったという。製作者は、研究用の高価なカメラの代わりに、距離を測る小型のセンサー(ToFセンサー)を使い、安く作る方法を選んだ。このセンサーは赤外線を当てて跳ね返る時間を測り、8×8の範囲で砂の凹凸を読み取る。
映す側には、中古で約20ドル(約3200円)で手に入れた小型プロジェクターを使った。内蔵電池が熱で膨らんでいたため、製作者は電池を交換して直し、三脚で砂箱の上に据えた。センサーとプロジェクターの位置合わせが難所で、Fusion 360で設計して3Dプリントした多関節のアームで微調整した。影が出ないよう、センサーはプロジェクターの真下に取り付けた。
当初はArduino Nanoで動かしたが、64点の距離データを処理しきれず、ESP32-C3のボードに替えた。ソフトは、読み取った高さを色に変える。低い所は青い湖や川、中ほどは緑の平野、高い所は茶色の山、頂は白い雪、という具合だ。
最初はセンサーとプロジェクターの角度のずれで位置が合わず、四隅の目印で座標を合わせ、砂を平らにして基準の高さを決める機能も加えた。完成したシステムは毎秒15コマほどで動き、25kgの砂を、すくうたびに反応する立体の地形に変える。