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「空気から集めたCO2」で炭酸を入れたビールが登場、コストも従来より15〜20%安くなる

Flow – Clean Air Edition

AircaptureとAlmanac Beer Coは2026年3月23日、大気中のCO2を直接回収する「直接空気回収(DAC)」技術でガス化したビール「Flow – Clean Air Edition(Flow – CAE)」を発売したと発表した。DACで炭酸化した商業ビールとしては世界初とされる。

ビール醸造においてCO2は炭酸付与・包装・サービングすべてに欠かせない原料だ。しかし現在の商用CO2は石油・化学産業の副産物を主な供給源としており、化石燃料価格の変動や工場閉鎖の影響を受けやすい。2022年には米国で大規模なCO2不足が発生し、食品・飲料メーカーのコスト上昇と操業混乱を招いた。

Aircaptureはカリフォルニア州バークレーに拠点を置くDAC専業企業で、モジュール型のDACユニットをAlmanac Beer Coのカリフォルニア州Alamedaの醸造所に設置した。ユニットは周囲の空気からCO2を分離・精製し、飲料グレードの液体CO2(純度99.999%)として醸造プロセスに直接供給する。純度は業界標準仕様を大幅に超えるレベルだ。

コスト面でも従来の商用CO2より15〜20%安価になるとしており、年間で数万ドルの削減につながるとAlmanac Beer CoのCEO Damian Fagan氏は述べている。現在はAlmanacの製造量の約20%をオンサイトDACで賄っており、年内に100%への移行を目指す。購入モデルはDACユニットを買い取るのではなく、捕捉したCO2を購入するサービス型で、工場が産業用酸素を外部業者から購入する仕組みに類似している。AircaptureのCEO Matt Atwood氏によると、同社のDACシステムのカーボンフットプリントは捕捉量の10%未満とする独立したライフサイクル評価結果があるという。

Flow – Clean Air Editionは2026年3月21日にAlameda醸造所での公開イベントでお披露目され、現在は州内800以上の販売先で取り扱われている。

関連情報

PRNewswire(プレスリリース、2026年3月23日)

FabScene編集部

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