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使い終えたら堆肥にできる回路基板、クエン酸づくりの菌を使い独チームが開発

ドイツのフライベルク工科大学(TU Bergakademie Freiberg)の研究チームが、使い終えたあとに堆肥として土に還せる回路基板を試作した。材料は、クエン酸を工業的に作る過程で出る菌の菌糸で、これまで捨てられていた副産物を生かす。成果は学術誌Cleaner Materialsに掲載された。

ふつうの回路基板は、ガラス繊維で補強した石油由来のエポキシ樹脂でできている。丈夫な半面、複数の材料が混ざり合っているため、リサイクルも分解も難しい。捨てられた電子機器は増え続け、世界の電子ごみは2030年に8200万トンに達すると見込まれている。回路基板とその部品は、金属と非金属が入り交じり、電子ごみの中でも特にリサイクルしにくい部類とされる。

研究チームは、クエン酸の製造に使うクロコウジカビ(Aspergillus niger)の菌糸に注目した。その菌糸を型に入れ、空気で乾かすことで、プラスチックのような素材に変える。できた板は厚さ約5mmで、密度は1立方センチあたり1.23gと、市販の基板に近い。研究チームは、これを「AnimatPCB」と名付けた。本来なら捨てられる菌糸を資源として使い直す点に、この試みの新しさがある。

電気的な性能は、まだ市販の基板には及ばない。それでも、試作品や、低い周波数で動く環境センサー、日用品、玩具などになら十分に使えるという。基板そのものは土に還り、その上に載せたトランジスタは、堆肥から取り出して再び使える。板が分解される一方で、電子部品は資源として回収できる形だ。ものづくりの試作のように、短い期間で役目を終える用途と、とくに相性がよい。

市販の基板と肩を並べるには、規格に沿った試験や、水を吸いやすい性質の改善が要る。研究チームは、捨てられていた菌の廃棄物を、電子ごみを減らす材料へと変える道を探る。

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FabScene編集部

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