Arduinoは、Linuxとマイコンを1枚に載せたボード「VENTUNO Q」で、マイコン側のプログラム(スケッチ)からロボット開発の基盤ソフト「ROS 2」を直接扱えるライブラリ「Arduino_RouterBridge_ROS」を公式ブログで紹介した。同社の研究開発チームのGiovanni Bruno氏が、カナダ・トロントで開かれたROSCon Global 2026と、11月3日のROSCon Italyで発表した。ライブラリはGitHubで公開されており、同社は開発途中のものとしている。
同社はブログで、ROS 2を使うロボットでは、地図作りや経路計画をLinuxのコンピューターに、センサーの読み取りやモーターの駆動のように時間に厳しい処理を外付けのマイコンに分ける構成が一般的だと説明する。両者をつなぐには、独自のシリアル通信の手順やドライバーを用意する必要があったという。
VENTUNO Qは、Linuxが動くプロセッサーと、リアルタイム処理用のマイコンを同じ基板に載せる。同社はこれまで、両者が互いの関数を呼び出せるライブラリ「Arduino_RouterBridge」を提供してきた。新しいライブラリはその上にROS 2との仲立ちをする仕組みを加えた。マイコン側のスケッチの中で、ROS 2のノード、パブリッシャー(データの送り手)、サブスクライバー(受け手)、サービス、アクションを作れる。同社によると、書き方はROS 2の標準的なC++の書き方に合わせた。
同社は使い方として、IMU(動きのセンサー)の値をROS 2に送る例と、モーターの速度指令を受け取る例を挙げる。ライブラリの説明書には、ジョイスティックの拡張モジュール「Modulino」の値を送った計測結果が載っている。送る間隔を絞らない場合は毎秒約190回、毎秒100回に絞った場合は約98回、ROS 2側に値が届いた。
ライセンスはMPL-2.0で、最新バージョンは11月2日公開の0.0.2だ。使うには、Linux側にROS 2 Jazzyを入れ、同社が公開する中継ノード「arduino_proxy」を動かす。説明書では、現時点で対応するボードはVENTUNO Qだけとしている。