電圧を測り、信号を読み、電源を操作して、AIに実機の電子回路の不具合を切り分けさせる――そんなオープンソースの道具「BugBuster」を、「lollokara」と名乗る開発者が公開した。AIと実際のハードウェアをつなぐ仕組みだ。
生成AIは、データシートを読んだり回路図を解釈したりと、電子回路についての推論は得意になってきた。一方で、実際の基板に触れて電圧を測ることはできない。BugBusterは、この「現実に触れられない」という穴を埋める。AIが「3番ピンを測って」と人に頼む代わりに、BugBuster自身が複数の信号を読み、電源の状態を調べ、波形を取り込んで原因を探る。
本体は、ESP32というマイコンを中心に置き、その上にRP2040を載せた拡張ボード(HAT)を重ねて、高速なデバッグに対応する。パソコンとはUSBやWi-Fi、HTTPでつながり、専用のデスクトップアプリやPythonのライブラリから操作できる。
鍵になるのが、AIと外部の道具をつなぐ規格「MCP(Model Context Protocol)」への対応だ。BugBusterはMCPのサーバーとして59種類の操作を公開し、ClaudeなどのAIが、自然な言葉の指示で電圧測定や出力の駆動、波形の取得、対象機器への書き込みまで自律的に進められる。
基板の回路図や配線はAltium、ファームウェアやソフトもすべて公開されている。開発者は、公開されたデータから自分で作れるとしている。