3Dプリンターを動かす人材の育成で、中国が裾野を広げている。3Dプリント(積層造形)を専門に学ぶ学部専攻を置く大学が、本科(学士課程)で全国23校に増えた。教育部と進学情報サイトの陽光高考が公開する2026年5月時点の情報に基づく。
この専攻は中国語で「増材制造工程」、英語名はAdditive Manufacturing Engineeringと呼ぶ。教育部が2021年2月に正式な本科専業として承認し、最初に開設したのは新郷学院(Xinxiang University)の1校だけだった。2023年には16校に増え、5年で23校まで広がった。直近では2025年に南京航空航天大学など5校が加わっている。
専攻は機械系に位置づけられ、修業年限は4年で工学の学士を授与する。新郷学院の例では、積層造形の原理と応用、3Dモデリング、3Dプリントを使ったリバースエンジニアリングなどを学ぶ。材料や機械、電気を横断する形で、設計から造形、工程管理までを体系的に教える。開設校にはハルビン工業大学や西北工業大学のような有力工科大もあり、航空宇宙向けの金属積層造形など、各校が地域産業や得意分野に合わせた内容を打ち出している。
背景には、3Dプリント関連の専門人材が大きく不足しているとの認識がある。装置や材料は買えても、技術者の育成には時間がかかる。中国が専攻の新設を続けるのは、積層造形を製造業の競争力を左右する土台と位置づけているからだ。