Espressif Systemsは2026年10月16日、ESP32シリーズの開発環境ESP-IDFをVisual Studio Code(VS Code)で使うための拡張機能「ESP-IDF Extension for VS Code」のバージョン2.3.0を公開した。ビルドに失敗したときにAIへ修正を頼む機能と、同社のドキュメントや部品ライブラリをAIが参照できる仕組みを加えた。
ビルドなどのコマンドが失敗すると、「Ask AI to fix」という通知が表示される。選ぶとVS Codeのチャット画面が開き、失敗したコマンドの出力が入力欄に入った状態になる。チャットは、GitHub Copilotなどのサービスや自前のモデルにつないで使う。Cursorでも使える。同拡張機能は1.11.0から、「プロジェクトをビルドして」といった指示をチャットから出せるようにしていた。
AIの参照先として、Espressifが公開するMCPサーバー(AIアシスタントに外部の情報や機能をつなぐ仕組み)2種を、利用者が設定ファイルを書かずに使えるよう登録した。1つは英語と中国語の公式ドキュメントを意味で検索する「Espressif Documentation」、もう1つは部品ライブラリを検索して説明を取り出す「ESP Component Registry」だ。使い始めにGitHubかWeChatのアカウントでサインインする。同社は、匿名化したアカウントIDを利用回数の制限にだけ使うとしている。Espressifのサイトによると、ドキュメント検索は1人あたり1時間に10回、1日に50回までとなっている。
書き込み先を絞る機能も足した。プログラム本体の領域(アプリ)、ブートローダー、パーティションテーブルを個別にビルド・書き込みする6つのコマンドに加え、アプリだけをビルドして書き込み、そのままシリアルモニターを開くコマンドを用意した。変わった部分だけを書き込めば、作業時間を短くできる。
デバッグでは、呼び出し履歴に関数名が出ず「?? Unknown Source」と表示される問題に対処した。これまでは、チップに内蔵されたROMのシンボル情報を利用者が手作業で読み込ませる必要があった。2.3.0では、デバッグの開始時にビルド先のフォルダーにある設定ファイルを自動で読み込む。