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昆虫の嗅覚受容体をグラフェンに搭載、似た物質16種類を識別するセンサー

米CardeaBio(現Paragraf)と仏Calixarの研究チームが、「ヤスデハムシ(Machilis hrabei)」が持つ嗅覚受容体タンパク質「MhOR5」をグラフェン製の電界効果トランジスタ(gFET)に直接組み込み、16種類の低分子有機化合物を識別できるセンサーを開発した。成果は学術誌『Advanced Materials』に2026年7月12日付で掲載された。

研究チームは、MhOR5を大量生産する手法を初めて確立し、安定した四量体構造のタンパク質を純度80%で得た。このタンパク質は最長3カ月にわたり安定性を保てるという。センサー本体となるgFETはウエハー単位で高品質に製造し、使用前に品質管理をかけることで、チップごとの再現性を高めた。

このMhOR5搭載gFETを、防虫成分のDEETやオイゲノール、ヘキサノール、オクタノールなど16種類の化学的に異なる低分子有機化合物に対して、200ナノモルから10ミリモルの濃度範囲で試験したところ、いずれの物質でも濃度に応じた反応を示した。結合の強さを分析すると、アセトフェノンに対する親和性が最も強く(結合定数の対数値0.28)、スルカトンに対しては最も弱かった(同4.4)。特に、構造がよく似た異性体であるオイゲノールとイソオイゲノールを区別できた点は、従来のセンサーでは難しかった成果だとしている。

研究チームは、昆虫の嗅覚受容体が持つ分子選択性と、グラフェンセンサーの高い感度を組み合わせたモジュール式のバイオセンシング基盤を確立したとしており、バイオテクノロジーや診断、生物監視といった分野への応用が見込めるとしている。

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FabScene編集部

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