加賀FEIは2026年8月19日、Bluetooth Low Energyの通信ソフトウェアをあらかじめ組み込んだ無線モジュール「ES4L15MA1」「EC4L15MA1」を開発したと発表した。機器を無線化したい側は、無線通信のソフトウェアを新たに書かずに済む。既存モジュールの「ES4L15BA1」「EC4L15BA1」に自社開発のソフトウェアを載せた製品で、いずれもNordic Semiconductorのマイコン「nRF54L15」を積む。
同社は開発の背景として、産業機器や住宅設備、ヘルスケア機器で無線化の需要が広がる一方、Bluetoothのソフトウェアを書ける技術者が足りず、開発期間が延びていると説明する。無線の機能を先に入れておき、外から簡単な命令を送るだけで制御できるモジュールへの需要が高まっているとした。
制御はシリアルコマンドで進める。外部のマイコンからコマンドを送ると、接続の設定や通信の制御ができる。任意のテキストデータを送受信する機能も持ち、これまで有線のシリアル通信でつないでいた機器同士を、配線なしで双方向にやり取りさせる使い方を主に想定する。1対Nの通信に対応し、同時につなげる相手は最大8台になる。センサーを多数並べたネットワークや設備の監視システム、複数の機器をまとめて制御するゲートウェイのような用途に向く。
小さい方のES4L15MA1は3.25×8.55×1.00mmで、アンテナを基板に内蔵する。使い手がアンテナを設計する必要はない。Bluetooth SIGの認証に加え、日本の電波法、米国のFCC、カナダのISEDの認証も取得済みで、機器メーカー側で認証を取り直す費用と手間がかからない。無線部分はBluetooth Core 6に対応し、2402〜2480MHzを使う。送信出力は+8dBm、電源は1.7〜3.6Vの単一電源で動く。プロセッサーはArm Cortex-M33を128MHzで走らせる。
ソフトウェア側では、機器をつなぎに行く側(セントラル)とつながれる側(ペリフェラル)の両方の役割に対応する。有線のシリアル通信に近い形でデータを流すプロファイルを内蔵し、通信の中身を利用者が定義するカスタムGATTサービスの設定もできる。ファームウェアの更新は無線経由とUART経由の両方に対応し、消費電力を抑えるパワーセーブとディープスリープの動作も備える。加賀FEIは評価用ボード「ES4L15MA1-EVB」も用意する。
提供時期は製品で分かれる。大きい方のEC4L15MA1は9.6×12.9×2.0mmで、量産を2026年7月に始めている。ES4L15MA1は開発中の扱いで、サンプルモジュールの提供を2027年1月、量産開始を2027年2月に予定する。