OpenAIがキーボードメーカーのWork Louderと共同で発売した「Codex Micro」は、AIコーディングエージェントの動作状況をキーの光で示し、作業の承認や却下をボタン1つで送れる専用マクロパッドだ。ところがOpenAIの公式ストアでは既に品切れで、再販の予定も示されておらず、入手しづらい状態が続く。そんな中、手持ちの開発ボードで同じ操作環境を再現した人がいる。
imliubo氏が公開した「codex-micro-4-core2」は、M5Stackの小型IoT端末「M5Stack Core2」を、Codex Micro互換のBluetoothコントローラーに変えるオープンソースのファームウェアだ。Core2に物理キーはないため、本体前面の2インチタッチ画面をそのまま操作面にした。画面は3ページ構成で、6つのエージェントキーでAIに任せたタスクを切り替えられるほか、承認や却下、音声入力など6つのコマンドキー、スティック4方向の操作、ダイヤルの回転と押し込みまでタッチで再現する。
仕組みの核心は、Core2をBluetooth LEのHIDデバイス(キーボードやマウスと同じ入力機器の枠組み)としてパソコンに見せ、Work Louder製Codex Microと同じ機器情報を名乗ることで、ChatGPTのデスクトップアプリに本物として認識させる点にある。タスク状態を示す色表示やキー割り当ての変更、プッシュトゥトーク連携はアプリ側の機能をそのまま使う。開発環境はPlatformIOとArduinoフレームワークで、320×240の画面全体をPSRAM上のキャンバスに描画してちらつきを抑えた。ライセンスはMITで、ソースコードと技術文書をGitHubで公開している。
本家のCodex Microは230ドル(約3万7000円)で、13個のメカニカルスイッチやジョイスティックを備えるが、現在は購入できない。一方この互換ファームウェアは非公式の実装で、文書化されていない通信仕様を利用しているため、ChatGPTデスクトップアプリの更新で動かなくなる可能性があるとimliubo氏は注意を促す。動作検証は2026年7月16日にmacOS版アプリと実機で済ませており、Windows版は未検証だ。引き出しでCore2が眠っている人には、AIエージェント時代の再活用先になるだろう。