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銅を超える配線材料をコーネル大が発見、直径10nmまで細く作れるナノワイヤー

米コーネル大学の研究チームが、集積回路の内部で銅の配線を置き換えられる可能性のある材料を見つけた。ニオブ砒素(NbAs)の単結晶ナノワイヤーで、細くするほど電気を通しやすくなるという、銅と逆の性質を持つ。成果は2026年7月16日付でScienceに掲載された。

チップの中では、無数のトランジスタを細い金属の線がつないでいる。配線には電気を通しやすい銅が使われてきた。ところがトランジスタの数が増えて線がナノメートルの太さまで細くなると、銅は電子が表面にぶつかって散らばり、抵抗が急に大きくなる。配線が電力を食い、速い信号を送れなくなる。微細化の頭打ちを招く弱点になっていた。

研究チームが使ったのは、トポロジカル半金属と呼ぶ種類の材料だ。内部だけでなく表面にも電子が流れ、その表面の電子は速く進み、散らばりにくい。細くすると内部の体積は減るが表面はそのまま残るため、全体として電気を通しやすくなる。責任著者のJudy Cha教授らは7年前からこの種の材料を研究してきた。2023年にはリンモリブデンで、細くしても壊れにくい性質は得たが、電気の通しやすさは上がらなかった。今回のニオブ砒素は、その両方を満たしたことになる。

作り方にも工夫がある。ナノワイヤーを作る従来の2つの手法は、太さや形を細かく制御できない。研究チームは熱機械ナノモールディングという方法を使った。材料の塊を多孔質の酸化アルミニウムの型に入れ、高温で数時間押し込む。型を溶かして取り除くと、質のよい単結晶のナノワイヤーがシリコンウエハーの上に残る。Cha教授は、これをパスタマシンにたとえる。型の穴の大きさを変えれば、太さの違うナノワイヤーができる。直径は約10nmまで細かく制御できたという。

この作り方は速い。Cha教授によると、以前は年に1つか2つの材料しか調べられなかったが、今は月に1つのペースで調べられる。合成の量はおよそ10倍に増えた。

ニオブ砒素は、ナノスケールで銅より電気を通しやすいだけでなく、丈夫でもある。しかも室温でその性質を保つ。量子的な性質を持つ材料は壊れやすく酸化しやすいものが多いため、この点は大きい。Cha教授は、最高品質の試料でなくても、極低温の環境でなくても、こうした量子力学的な効果を確かめられることに研究の意義があると述べる。

ただし実用には距離がある。砒素には毒性があり、そのまま銅を置き換える材料にはなりにくい。Cha教授は、今回の成果は概念の実証であり、トポロジカル半金属が理論上の存在ではなく現実的で有望な材料だと示せた点が重要だとしている。共著にはIBMのトーマス・J・ワトソン研究所、台湾の国立陽明交通大学、ジョンズ・ホプキンス大学、ペンシルベニア州立大学、韓国の嘉泉大学、レンセラー工科大学、台湾の中央研究院の研究者が名を連ねる。

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FabScene編集部

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