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量子コンピューターの「配線だらけ」を解消するチップを開発、極低温側に集約

広東・香港・マカオ大湾区量子科学センター(中国・深セン)の研究チームが、絶対零度近くのミリケルビンという極低温で動くデジタル・アナログ変換器(DAC)を開発した。量子コンピューターの量子ビットを制御する回路を、量子ビットのすぐそばに置けるようにするもので、大規模化の壁となってきた配線の問題を和らげる。成果は2026年7月20日、学術誌Nature Electronicsに掲載された。

超伝導方式の量子コンピューターは、計算の最小単位である量子ビットを、絶対零度に近いミリケルビン(1000分の1ケルビン)の低温に冷やして動かす。この量子ビットを制御するには、室温にある電子機器から1本ずつ信号線を引き込む必要がある。量子ビットの数が増えるほど配線が膨れ上がり、外部から熱が伝わって冷却の負担も増す。この配線と熱の問題が、量子ビットを数百から数千へと増やすうえでの大きな壁になっていた。

チームが作ったのは、制御信号を作り出す回路そのものを、量子ビットと同じ極低温の側に置く仕組みだ。デジタルの数値をアナログの信号に変えるDACを超伝導回路で組み、20ミリケルビン未満の環境で動かした。DACは、量子ビットのパラメータを微調整するための持続的な磁束の信号を生み出す。室温側から個別に引いていた直流バイアス線が要らなくなり、配線の本数を抑えられる。

このDACは、単一磁束量子(SFQ)と呼ばれるごく小さな磁束のパルスで、デジタル的に狙った値へ設定できる。既存のSFQの信号を分配・振り分けする技術と組み合わせられるため、多数の量子ビットへ効率よく制御を届ける道につながる。実験では、フラクソニウムと呼ばれる高い安定性を持つ量子ビットと組み合わせ、量子ビットの繊細な量子状態を損なわずにパラメータを調整できることを確かめた。

消費電力の面でも利点がある。このDACは設定を変えるときだけ電力を使い、値を保っている間はほとんど電力を消費しない。極低温の環境では、わずかな発熱も冷却の妨げになるため、この特性は多数の量子ビットへ広げるうえで重要になる。チームは今回の成果を、デジタルで制御できる超伝導量子プロセッサーを組み立てるための基本部品と位置づけている。速い演算と細かな調整の両方を、極低温側の超伝導回路だけでまかなう制御方式への一歩になるとみている。

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FabScene編集部

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