イスラエルのModixは、1辺1mの立方体をまるごと造形できる大型3Dプリンター「MAMA-1000」を発表した。原料に粒状の樹脂ペレットを使い、最大で毎時3kgという速さで大きな造形物を一気に出力する。
ペレット式(FGF)は、フィラメントに加工する前の粒のままの樹脂を溶かして積層する方式だ。射出成形で長年使われてきた材料をそのまま使えるため、材料費が大きく下がる。ペレットは1kgあたり2〜8ドル(約320〜1300円)ほどで、フィラメントの20〜80ドル(約3200〜1万3000円)と比べて段違いに安い。大型の造形ほど樹脂を大量に使うため、この差が効いてくる。
MAMA-1000は、用途で2つのヘッドを使い分ける。量を出すペレットヘッド(DYZE DesignのPulsar)は最大で毎時3kg、毎秒500立方mmの流量で、標準で3mmのノズルを備える。細部を仕上げるフィラメントヘッド(ModixのGriffin Ultra)は最大で毎時0.5kgだ。粗く速く造形してから、必要な部分だけ細かく仕上げる、という具合に1台でまかなえる。
造形範囲は1000×1000×1000mm。筐体付きで、モーターは位置を検知する閉ループ式、制御基板はDuet 6HCを使う。ペレットは圧縮空気でヘッドへ送り込む。本体は組み立て・試験済みの状態で届く。オプションで、2つのヘッドを使うIDEX、25kgのペレット乾燥機、色を混ぜる顔料ミキサー、HEPAと活性炭を備えた空気清浄機などを足せる。素材はPLAやABS、PETG、ナイロン、炭素繊維やガラス繊維入り、リサイクル樹脂などに対応する。
Modixは実際の用途も示している。木粉入りPLAで作る低温の金型、リサイクル樹脂の家具や内装(5mmノズルで5.5kgを4.5時間)、難燃材の看板(10.1kgの看板を8.75時間)などだ。上位機のMAMA-1700(1700×1000×1000mm)の小型版にあたり、価格は問い合わせ制となっている。個人と産業の境目が薄れるなか、大きな物を安く速く刷る道具がまた1つ増えた。