Norik Systemsが、Nordic SemiconductorのnRF9151を使った、DECT NR+向けのUSBドングルを公開した。パソコンのUSBに挿すだけで、DECT NR+と呼ばれる無線規格を使う機器の開発や、現場での通信テストを始められる。土台のnRF9151は、64MHzのArm Cortex-M33を積むSiP(部品を一つにまとめた集積モジュール)で、DECT NR+のほか、LTE-MやNB-IoTといった携帯回線、衛星測位(GNSS)にも対応する。
DECT NR+(DECT-2020 NR)は、携帯電話の回線に頼らず、免許のいらない電波で多数のIoT機器をつなぐための無線規格だ。低い消費電力で動き、機器どうしがバケツリレーのように電波を中継するメッシュを組んで、広い範囲をカバーできる。セルラーに頼らない5G系の規格とも呼ばれ、工場やインフラの監視などでの利用が見込まれる。契約や基地局に頼らずに済むため、機器ごとの通信料をかけずに、自前のネットワークを組める。
ドングルの使い方は2通りある。1つはDECT NR+ネットワークの末端で動く子ノードとして、もう1つはUSBから電源を取るゲートウェイとして働く。出荷時にはコンソール(操作画面)用のファームウェアが書き込まれており、挿すだけでDECT NR+の機能をひととおり試せる。書き換えは何度でもでき、評価からそのまま試作へ移れる。
開発者は、NordicのnRF Connect SDK(Zephyrをベースにした開発環境)に含まれるオープンソースの作例をもとに、自分のアプリケーションを書き込める。書き込みやデバッグ用のCMSIS-DAPを内蔵するため、外付けの専用機器なしに、USB1本で開発を進められる。小型で扱いやすく、新しい機器を作る人にも、現場で通信を確かめたい人にも向く。手のひらより小さなUSBスティックの形で、机の上でも現場でも、同じ環境で試せる。