台湾の半導体メーカーNuvoton Technologyは、Linuxが動く小型の評価ボード「NuMaker-IoT-MA35D0-A2(Chili Pro)」を販売している。同社は「業界最小のLinuxプラットフォーム」とうたう。2026年10月1日に新しいプロセッサーと合わせて発表し、同社が案内する販売サイト「TECHDesign」での価格は49ドル(約7700円)だ。通常価格の75ドル(約1万2000円)から値引きした価格で、値引きの期間は書かれていない。
ボードが載せるのは、同日に発表した「MA35D05KI67C」だ。Linuxを動かす64ビットのCPUコア(Arm Cortex-A35、最大650MHz)を2基と、決まった時間内に確実に処理を終える必要がある制御を受け持つ別のCPUコア(Cortex-M4、180MHz)を1基備える。チップは14×14mmの「LQFP128」と呼ぶパッケージに収まる。MA35D0シリーズの動作温度範囲は-40~125℃で、同社は産業用グレードと位置付ける。
評価ボードは、機器の開発者がチップを製品に採用する前に、機能や性能を試すためのボードだ。Chili Proは256MBのメモリーと256MBのフラッシュメモリーを備え、ギガビットEthernet、USB 2.0のホストとデバイス、SDカードスロットを持つ。GPIOの拡張コネクターからは、UARTやSPI、I2C、I2S、ADCに加え、自動車や工場の機器で使われる通信規格「CAN FD」も引き出せる。
ソフトウェアは、GitHubの「OpenNuvoton」名義のリポジトリでLinuxカーネル(6.6系など)と、組み込みLinuxを組み立てるツールのYoctoやBuildroot向けの一式を公開している。チップ側には、セキュアブートやArmのTrustZone、暗号処理のハードウェアを備え、産業機器のサイバーセキュリティ規格「IEC 62443」と欧州のサイバーレジリエンス法(CRA)への対応をうたう。
同社は用途として、工場などの現場に置くエッジ機器やスマートゲートウェイ、再生可能エネルギーのシステムを挙げ、小規模なAIや機械学習の処理にも使えるとしている。