米テキサス東部地区連邦地裁は2026年9月18日、Bambu Labに関連する5社がStratasysの特許4件を侵害したとして、5社に計2760万ドル(約43億3000万円)の支払いを命じる判決を出した。Rodney Gilstrap判事が署名した。9月11日に始まった公判で、陪審は17日に全員一致で4件すべてについて侵害と有効性を認めていた。
賠償額は特許ごとに算定された。最も高いのは多色印刷の「パージタワー」に関する特許で1420万ドル(約22億3000万円)。次が樹脂を押し出して層を積み上げる造形方法に関する特許で1060万ドル(約16億6000万円)。ノズルにかかる力を検出する技術の特許2件は、合わせて280万ドル(約4億4000万円)だった。
パージタワーは、多色印刷でフィラメントを切り替える際に使う。ノズルには直前まで使っていた色が残るため、そのまま次の色を出すと混ざる。これを防ぐため、造形物の脇に捨て材の塔を積み上げて古い材料を押し出す。Bambu LabのAMSのように複数のフィラメントを1台で扱う機構では欠かせない工程になる。
判決は、いつから侵害があったとみなすかも示した。パージタワーと造形方法の2件は2022年5月31日以降、力の検出に関する2件は2023年9月20日以降の販売が賠償の対象になる。
賠償の算定方法は、売上に応じた実施料を積み上げる形を採った。特許を使う許諾を受けていたら支払っていたはずの金額として計算する考え方になる。製品の販売を止める差止命令については判決に記載がなく、Stratasysが求めたその他の救済はすべて退けられた。
陪審は侵害を故意と認定したが、Gilstrap判事は賠償の増額を認めなかった。米国の特許法では、故意の侵害と認められた場合に賠償額を最大3倍まで増やせる。判事は公判を通じて証言と証拠を確認した結果、増額は相当でないと判断した。
判決はこのほか、判決前と判決後の利息の支払いを命じた。判決前の分は5年物の米国債利回りをもとに月ごとに複利で計算する。Stratasysは勝訴当事者として、訴訟にかかった費用も回収できる。
被告はShenzhen Tuozhu Technology、Shanghai Lunkuo Technology、BambuLab Limited、BambuLab USA、Tuozhu Technology Limitedの5社である。Stratasysは2024年8月8日に2件の訴訟を同時に起こしたが、2件目は同年10月22日に1件目へ統合され、2025年8月19日にGilstrap判事が統合を正式に認めた。今回の判決は、統合された1つの事件に対するものになる。