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双腕ロボット学習用装置「MEVION」を東大が開発、速度は既存比7倍

東京大学のチームが、双腕ロボットの動作データを集めるための実験装置「MEVION(メビオン)」を開発した。既存の代表的なオープンソース装置「ALOHA」と比べ、最大トルクは約3倍、最高速度は約7倍に達し、システム一式は約14000ドル(約228万円)で構築できる。

ロボットに人間のような作業を学習させる「模倣学習」の研究では、人がロボットアームを直接操作して動作データを集める装置が土台となる。ALOHAは低コストとオープンソースを両立した装置として研究者の間で広く使われてきたが、出せる力と速度に限りがあり、重い物体の操作や素早い動きの収録には向かなかった。東京大学大学院情報理工学系研究科のチームは、より大きな力と速度を出せる装置として、部品調達から製作まで一貫して安価に済ませられるMEVIONを設計した。

MEVIONは6自由度のアームを4本備え、それぞれに平行グリッパー(開閉式のハンド)を搭載する。アーム1本の重さは7.0kg、最大トルクは60Nm、アームの長さは0.83m、先端の最高速度は毎秒20.4ラジアンに達し、アームを最大まで伸ばした状態での可搬重量は7.6kgだ。ALOHAと比べると重さは約1.6倍にとどまる一方、最大トルクは約3倍、最高速度は約7倍に達する。部品点数を抑えるため、アームの肩や下部、ハンドの土台といった大型で複雑な形状の部品には板金溶接を多用し、それ以外は切削加工で仕上げる。金属部品はすべてミスミのオンライン加工サービス「meviy」に対応する設計とし、発注をECサイト上で完結できるようにした。アーム1本あたりの製作費は約3500ドル(約57万円)で、システム全体では約14000ドルとなる。

肘の関節には、四足歩行ロボットで使われる閉リンク機構を採用した。関節を動かすモーターをアームの先端側でなく根元側に配置できるため、先端に近い部分を軽くでき、その分だけ大きな力と速度を出しやすくなる。制御にはPythonの共通スクリプトを使い、物理シミュレーター「MuJoCo」上でのシミュレーションと実機の制御を同じコードで動かせる。ROSを介してロボットの状態をRViz上でリアルタイムに可視化できるほか、Scikit-Robotを使って動作を送信する前に画面上で確認できる。電源は24Vまたは48V、通信はCANを使い、機構による重力補償の代わりにソフトウェアで重力補償する方式を採用した。

チームはMEVIONを使い、ペットボトルのふた開け、荷物の梱包、フライパンの操作、重さ3.6kgのダンベルの操作、だるま落としといった遠隔操作タスクを実施し、タオルの操作とダンベルの梱包については模倣学習の手法「Action Chunking Transformer」を使った自律動作の学習にも成功した。ハードウェアの設計データとソフトウェアはすべて公開しており、Google DriveとGitHubから入手できる。成果は国際学術誌『IEEE Robotics and Automation Practice』に掲載が決まっている。

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FabScene編集部

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