スペインのUSBRIDGE TECHNOLOGIESが、離れた場所にあるパソコンやサーバーを手元から操作する小型装置「USBridge-KVM 2.0」のクラウドファンディングをCrowd Supplyで公開した。価格は219ドル(約3万5000円)で、世界どこへでも送料はかからない。募集は2026年10月1日まで、出荷は2027年3月21日を見込む。
遠隔操作のソフトウェアは、相手のパソコンでOSが動いていることが前提になる。OSが固まったり、そもそも起動しなかったりすれば手が出せず、結局は現地へ足を運ぶことになる。USBridge-KVM 2.0は相手のパソコンに外付けの機器としてつながり、画面の映像とキーボード・マウスの信号を横から扱う。OSの状態に関係なく操作できるのはそのためだ。
特徴は、電源を入れた直後に出る設定画面(BIOS)の扱い方にある。通常なら映像として送るところを、装置の中で画面の文字を読み取り、テキストに変えて手元へ届ける。映像を丸ごと送らないので、回線が細い場所でも動く。文字なのでエラーコードや型番をそのままコピーでき、「この文字が出るまで待ってからキーを押す」といった手順をスクリプトとして書ける。AIを外部の機器につなぐ規格に対応しており、AIに設定画面を読ませて操作させる使い方も想定する。
映像を見ながら操作する場合は、ゲームの画面をネットワーク越しに送る仕組みとして知られるMoonlightを組み込んだ。開発元によると、遅れは720pの解像度で25〜50ミリ秒、1080pで50〜75ミリ秒だという。手元でUSBメモリを差し替える代わりに、パソコンに保存したディスクイメージをこの装置経由で読み込ませ、そこから起動もできる。バックアップは装置の側に切り離して保存するため、相手のパソコンが乗っ取られても消されない仕組みだとしている。
本体は70×36×26mmで、重量は65gしかない。中身はシングルボードコンピューターのRadxa Zero 3W(Rockchip RK3566、4コアのArm Cortex-A55)で、メモリは1〜2GBを積む。240×240の小さな画面、Wi-Fi 6、USB Type-Cを2つ、Micro HDMI、microSDスロットを備える。付属の電源管理モジュールをパソコンの電源ボタンの配線につなげば、OSが固まったままでも電源を入れ直せる。
操作用のアプリと、回路図や基板の設計データ、部品表、ケースの3DデータはGitHubで公開済み。ただし装置本体を動かすソフトウェアは整理を終えてから公開するとしており、現時点では出ていない。取得予定の認証はCE、UKCA、RCMの3つで、日本の技適についての記載はない。