Waveshareが、Raspberry Pi製マイコン「RP2350A」を載せた開発ボード「RP2350-POE-ETH」を発売した。有線LANの端子を備え、別売りのモジュールを追加すればLANケーブル1本で通信と給電の両方をまかなえる。価格は13.99〜18.99ドル(約2300〜3100円)で、同社公式ストアで販売している。
センサーを何カ所にも置くような用途では、電源の確保が地味に面倒になる。コンセントの位置に縛られたり、機器ごとにACアダプターを用意したりする必要が出てくるためだ。PoE(Power over Ethernet)は、この問題をLANケーブル1本にまとめる仕組みで、対応するスイッチにつなげば通信と電力を同時に送れる。今回のボードは、この機能をRP2350の開発環境に持ち込んだ形になる。
イーサネット処理には、WIZnetの「W6300」を採用した。TCP/IPの処理をチップ側のハードウェアが担うため、マイコンのソフトウェア負荷を抑えられる。通信速度は100Mbps、TCPサーバー、TCPクライアント、UDPサーバー、UDPクライアントの各モードに対応する。
搭載するRP2350Aは、Arm Cortex-M33のデュアルコアと、RISC-VのHazard 3デュアルコアを併せ持つ。用途に応じて2つのアーキテクチャーを切り替えられる設計で、動作周波数は最大150MHzだ。SRAMは520KB、基板上のフラッシュメモリーは16MBを積む。Raspberry Pi Pico 2本体の4MBと比べて4倍の容量になる。
外部との接続には20本のGPIOを使える。一部のPico用HATと互換性があり、既存の拡張基板を流用できる。基板の縁は半円状に加工されており、別の基板に直接はんだ付けして組み込むこともできる。このほか、プログラムで色を変えられるWS2812のRGB LED、温度センサー、12個のPIOステートマシン、USB 1.1のホスト機能とデバイス機能を備える。給電と書き込みはUSB Type-Cを使い、書き込みはUSBメモリーとして認識させてファイルをドラッグするだけで済む。
開発言語はC/C++、MicroPython、Arduinoに対応する。GitHubにはファームウェアと、イーサネット経由でMQTTを使って電池の情報を送るサンプルコードが3言語分そろっている。
構成は4種類から選ぶ。標準版、ピンヘッダーをはんだ付け済みの版、そしてそれぞれにPoEモジュールを同梱した版だ。PoEモジュールなしの2種類も、後から同モジュールを追加すればPoEを使える。ただしPoE機能を使うには、対応するスイッチングハブが別途必要になる。なお2026年7月28日時点で、公式wikiのページは準備中となっている。