Revopointが光学トラッキング式3Dスキャナー「Trackit」のクラファン開始、マーカー不要で体積精度0.025mmを実現

FabScene(ファブシーン)| テクノロジーの「現場」を記録するメディア

3DスキャナーメーカーのRevopointが、クラウドファンディングプラットフォーム「CAMPFIRE」で光学トラッキング式3Dスキャナー「Trackit」の資金調達を開始した。マーカーやスプレーを使用せずに硬貨から自動車まで幅広いサイズの対象物をスキャン可能で、体積精度0.025mm + 0.04mm×L(m)の高精度計測を実現する。産業用途に特化した設計で、自動車製造、航空宇宙、品質管理などの分野での活用を想定している。

同製品は光学トラッキング技術とブルーレーザーを組み合わせた新方式を採用し、従来のマーカー設置・除去作業を不要にした。デュアルカメラベースステーションがスキャナーの空間動作をリアルタイムで追跡し、最大150万点/秒の速度で表面をスキャンする。最大トラッキング範囲は2800×2800mm(距離4000mm時)で、6m延長ケーブルにより移動操作性も確保している。

クラウドファンディングでは3つのプランを用意し、基本の「スタンダードセット」、CAD変換ソフト付きの「デザインセット」、ロボットアームと大型ターンテーブル付きの「ロボットセット」を提供する。超早割特典により最大40%の割引価格で提供され、9月初旬の発送を予定している。

協働ロボットとの統合で完全自動化

「Trackit」の特徴の一つは協働ロボットとの統合機能で、ロボットセットでは産業用協働ロボによる完全自動スキャンワークフローの構築が可能だ。TCP/IPソフトウェア制御プロトコルを備え、ファクトリーオートメーションや検査、バッチ3Dスキャンなどへの統合を容易にする。

技術仕様では、スキャナー本体精度0.02mm、シングルスキャン範囲320×215mm(距離400mm時)を実現している。30本クロスレーザーモードは暗い物体や反射性物体、金属物体を正確に捕捉し、シングルラインレーザーモードは深穴や溝などの狭小エリアのスキャンに最適化されている。

自動キャリブレーション機能により、複雑なキャリブレーション工程を省略し、約25分で完全マルチポーズ較正を実現する。カーボンファイバーフレームの採用により軽量化と耐久性を両立し、フレーム変形によるマーカー位置ずれを防止している。

付属ソフトウェア「Revo Trackit」は無料でオフライン動作が可能で、スキャン、編集、処理、キャリブレーション機能を提供する。出力形式はPLY、OBJ、STL、ASC、3MF、GLTF、FBXに対応し、主要な品質管理、CAD、3Dモデリングソフトウェアとの連携を実現している。

クラウドファンディング支援者には、3D計測ソフトウェア「Revo Measure」の1年間ライセンス(通常価格8万2000円)が無料で付属する。同ソフトウェアは点群データやメッシュデータをCADモデルと比較し、形状、寸法、品質を分析する機能を備えている。

動作要件として、Windows 10/11(64-bit)、RAM32GB以上、Intel i7第13世代以上またはAMD Ryzen 7 7000シリーズ以上のCPU、NVIDIA GeForce RTX 3050(8GB)以上のGPUを推奨している。USB 3.0以上のポートが必要で、最大60FPSでのスキャンに対応する。

関連情報

CAMPFIREプロジェクトページ

FabScene編集部