ESP32と3Dプリントでマルチスクリーン版「ゲーム&ウォッチ」を自作

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開発者のslowlane112氏が、ESP32S3開発ボードを使用したマルチスクリーン版「ゲーム&ウォッチ」を製作し、GitHubでオープンソースプロジェクトとして公開した。任天堂の携帯ゲーム機「ゲーム&ウォッチ」にインスパイアされた作品で、Oil Panic、Safebuster、Pinballの3つのゲームを楽しめる。

このプロジェクトは3Dプリント筐体を使用し、ESP32S3開発ボードを中心に構成されている。電源には10440リチウムイオンバッテリーを2個使用し、TP4056モジュールを介してUSB-C経由での充電に対応する。

slowlane112氏は以前にも単一画面版のゲーム&ウォッチを製作しており、今回のマルチスクリーン版はその発展形となる。GitHubリポジトリには単一画面版、マルチスクリーン版、ハンドヘルド版の3つのバリエーションが公開されている。

ESP32S3は240MHzのデュアルコアプロセッサを搭載し、Wi-FiとBluetooth 5.0に対応するマイコン。ゲーム機のようなリアルタイム処理が求められる用途にも適している。今回のプロジェクトでは、このESP32S3の処理能力を活用してクラシックゲームの再現を実現した。

Oil Panicは任天堂のゲーム&ウォッチシリーズの1作で、工場の煙突から落ちてくる油を受け止めるアクションゲーム。Safebusterは金庫破りをテーマにしたパズルゲーム、Pinballはピンボールゲームとなっている。

プロジェクトの全ファイルはGitHub上でオープンソースとして公開されており、3Dプリントデータやソースコードを含む製作に必要な情報が入手できる。電子工作やプログラミングのスキルがあれば、同様のデバイスを自作することが可能だ。

ESP32を使ったレトロゲーム機の自作プロジェクトは近年増加している。比較的安価で入手できるマイコンボードと3Dプリンターの普及により、個人でも本格的なゲーム機を製作できる環境が整っている。

関連情報

ESP32 Game and Watch GitHubリポジトリ

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