ソーラー充電式GPSトラッカーを個人で製作、サバイバル用途を想定

FabScene(ファブシーン)

gokuxというIDで活動するMakerが、太陽光発電で動作するGPSトラッカーを製作し、作品投稿サイトinstructablesで公開した。サバイバル用途を想定した小型デバイスで、ソーラーパネルとバッテリーを搭載し、外部電源なしで長時間動作する。

このデバイスは、GPS衛星からの信号を受信して現在地の緯度、経度、高度、速度を取得し、1.3インチの有機EL(OLED)ディスプレイに表示する。使用するGNSSモジュールはGPS(アメリカ)、GLONASS(ロシア)、Galileo(EU)、BeiDou(中国)の複数の衛星測位システムに対応しており、厳しい環境下でも正確な位置情報を取得できるという。

主要な構成部品は、マイコンボードのSeeed Studio XIAO ESP32C3、Waveshare製のソーラー電源管理モジュール、NEO-6M GPSモジュール、1200mAhのリチウムイオンバッテリー、70mm×70mmの6Vソーラーパネルなど。筐体は3Dプリンターで出力した。

電源には1200mAhの14500型リチウムイオンバッテリーを内蔵し、太陽光またはUSB経由で充電できる。また、5V/1Aの電源出力端子を備えており、小型電子機器向けのモバイルバッテリーとしても機能する。

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ディスプレイにGPS情報を表示した状態。画像出典元: instructables

製作にあたっては、Fusion 360で筐体を設計し、3Dプリンターで出力した。各モジュールは筐体内部のタブに固定し、はんだごてでプラスチックを溶かして固定する方法を採用した。XIAO ESP32C3には取り付け用のネジ穴がないため、製作者は汎用的なXIAO用PCBを設計し、PCB製造サービスを利用して基板を製作した。このPCB設計ファイルはGitHubで公開されている。

プログラムはArduino IDEで開発し、TinyGPSPlusライブラリを使用してGPSデータを処理する。コードでは緯度、経度、高度、速度、補足衛星数を取得し、OLEDディスプレイに表示する処理が実装されている。

製作者は、このプロジェクトについて「宇宙技術は地球上で私たちを導く重要な役割を果たしている。GPSは地球から約2万200km上空を周回する24基以上の衛星から送信される時刻と位置データを利用している」と説明し、宇宙インフラが地球上の生活を支えていることを示す事例だとしている。

想定される用途は、アウトドア活動やハイキング、緊急時のサバイバル用途など。カラビナを使ってバッグに取り付けることができ、持ち運びやすい設計となっている。


関連情報

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