3Dプリンターで刷っただけで動く4キーのキーパッドを、「Boundless 3D」と名乗る製作者が公開した。電気を通す導電性のフィラメントを使い、配線にあたる部分まで一体で印刷する。刷り上がったものにArduinoのボード「Arduino Micro Pro」を挿してプログラムを書き込めば、4つのボタンとして使える。
3Dプリンター用のフィラメントには、電気を通す「導電性フィラメント」がある。PLAなどの樹脂に導電性の素材を混ぜたもので、回路をそのまま印刷できる。ただ、はんだ付けができず、その性質を生かした作例も少ないことから、あまり使われてこなかった。製作者は、この素材の良さを示す例を作りたかったという。
キーパッドは、押す部分が静電容量式のタッチセンサーになっている。外側の本体を通常のPLAで、センサーや配線にあたる部分を導電性PLAで印刷し、1回の印刷で組み上がる。刷り上がったくぼみにArduino Micro Proを差し込むと、各ボタンの状態を読み取れる。製作者は、印刷したものをすぐパソコンにつないで動かせる手応えを魅力に挙げる。
印刷には、複数の素材を扱えるマルチマテリアル対応の3Dプリンターが要る。製作者はBambu Labの「X1 Carbon」で印刷したが、ツールチェンジャー付きの機種ならさらにきれいに刷れるとしている。ノズルは0.4mm以下が必要で、これより太いと配線どうしが触れてしまう。外側はPLA、それ以外は導電性PLA(Protopasta製)を使う。
製作者は、これを導電性フィラメントの実験の一つと位置づけ、抵抗の測定や電池アダプターなども試している。設計データ(STL)と、編集しやすいSTEPファイル、Arduino用のコードはPrintablesで公開した。ライセンスはクリエイティブ・コモンズ(CC BY-NC-SA 4.0、非営利・継承)。まだ実験段階だが動作はするとして、改良やアレンジを呼びかけている。