ePaperディスプレイ搭載のRaspberry Piカメラ、撮影から表示まで一体型デバイスを自作

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Reddit ユーザーのYikes-Cyborg-Run氏が、Raspberry Pi Zero 2WとePaperディスプレイを組み合わせたユニークなカメラデバイスを制作した。

撮影した写真をePaperディスプレイで即座に表示し、さらにスライドショー機能も搭載したオールインワンカメラだ。低消費電力なePaperディスプレイの特性を活かし、18650リチウムイオン電池での長時間動作を実現している。

システムは単なるカメラとしての機能にとどまらず、撮影した写真の管理機能も充実している。ユーザー定義の間隔でタイムラプス撮影が可能で、撮影済み写真のオートスクロール表示、手動での写真閲覧・削除、写真ディレクトリのZipアーカイブ化なども行える。

カメラ設定では明度、コントラスト、露出、フラッシュの有無、ホワイトバランスをメニューから調整でき、ディスプレイ設定ではフォント、フォントサイズ、オートスクロール間隔、写真解像度の変更が可能だ。システム設定では写真のアーカイブ化、スプラッシュ画面の表示切り替え、全写真削除などの管理機能を提供している。

ハードウェア構成は、Raspberry Pi Zero 2Wを中心に、WaveShare製2.7インチePaper HAT(GPIO ボタン内蔵)、公式Raspberry Piカメラモジュール(V2)を組み合わせている。オプションとして3色のLED(緑、黄、赤)とフラッシュ用の高輝度LEDも追加可能で、カメラの動作状態を視覚的に表示する。

ePaper特性を活かした省電力設計と課題解決

制作者のYikes-Cyborg-Run氏は、ePaperディスプレイの画面更新の遅さという課題に対し、効率的な描画制御を実装した。通常のLCDと比較してePaperは更新速度が遅いものの、低消費電力という利点を活かし、単一の18650電池で数時間のタイムラプス撮影を可能にしている。

ソフトウェアはPython で開発され、picamzero(カメラ制御)、gpiozero(GPIO制御)、WaveShare ePaper ドライバーを使用している。自動起動機能により、電源投入と同時にカメラアプリケーションが立ち上がり、モバイル利用に適した設計となっている。

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キャプション カメラボタンとオプションLEDの配線図実用的な拡張が可能画像出典元GitHub

プロジェクトの全ソースコードと詳細な組み立て手順はGitHub で公開されており、異なるサイズのWaveShare ePaperディスプレイにも対応している。Yikes-Cyborg-Run氏は今後の改良として、ディスプレイの部分更新機能の実装、Wi-Fi経由での写真ダウンロード、Web UI の追加などを検討している。

関連情報

プロジェクトページ(GitHub)

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