
アメリカの教師が息子とミニカー(Hot Wheels)遊びをしている際に「車の速度が測れたら面白いのに」と思いついたアイデアから、革新的なおもちゃが誕生した。既存のミニカー用コースに取り付けるだけで、ミニカーの発進から計測ポイントまでのタイムを正確に計測できるスマートデバイスを開発した。
プロジェクトは教師が学生チームと共に取り組み、Hot Wheelsからコースと100台以上のミニカーの提供を受けて実現した。システムはスタートゲートと計測用のフィニッシュゲートの2つのパーツで構成され、どちらも数時間で3Dプリント可能だ。
ESP32とサーボモーターで自動発進
スタートゲートにはESP32 Super Mini、約4.5Vの電源、サーボモーターを内蔵する。ESP32の内蔵レギュレーターが電圧を3.3Vに降圧し、サーボモーターがミニカーを所定位置に保持してリリースのタイミングを制御する。
フィニッシュゲートは同様のハードウェア構成で、赤外線センサーを追加して通過するミニカーを検出する。両パーツにはコースと接続するためのスロットがあり、フィニッシュゲートには追加の接続ポイントも備えてレースの継続や複数の速度チェックポイント設置に対応する。
操作は専用ウェブアプリで行う。ESP32がサーバーとして動作し、Wi-Fi経由で接続する仕組みで、アプリのダウンロードは不要だ。ブラウザでURLまたはIPアドレスにアクセスするだけで利用できる。
遊びから教育用途まで
システムの動作は以下の通り。ボタンを押すとモーターが90度回転してミニカーをリリースし、内部ストップウォッチが開始される。ミニカーがセンサーを通過するとタイマーが停止し、フィニッシュタイムが表示される。最新のタイム記録は表形式で確認でき、リセットボタンでモーターが直立位置に戻り次の準備が完了する。
教育玩具としての活用価値も高く、距離や角度、車の重量を組み合わせた物理学習や、予測値と実測値の比較による応用学習に適していると、開発者は述べている。
現在、完成版のチュートリアル作成を進めており、DIY愛好家が同様のシステムを製作できるよう準備中だ。将来的にはテーブルや椅子に簡単に取り付けられるネジクランプシステムなどのアップグレードも検討している。