ラズパイでプール管理を完全自動化、水温監視からライト制御まで手作りシステム「HydroPi」が市販品の10分の1コストで実現

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Reddit のr/raspberry_piコミュニティで、ユーザー「Imaginary_Inspector」が自作プールオートメーションシステム「HydroPi」の完成を報告した。Raspberry Pi 2bをベースとしたシステムで、プールポンプ、スパバルブ、ヒーター、LEDライト制御に加え、配管内の水温をリアルタイム監視する機能を実現している。数か月の計画と週末作業を経て完成し、2000ドル以上する市販の専用システムの代替案として公開された。

制作者は「何年もここで皆さんのプロジェクトを見てきたことで、ついに自分でもやる自信が持てました」とコミュニティへの感謝を表明し、コードやワイヤリング図、学んだ教訓の共有も申し出ている。

「HydroPi」システムは、Raspberry Pi 2bでPiOSを実行し、リレーを使用してアクチュエーター、ポンプ、ライトを制御する。MQTTプロトコルによりスクリプト間およびHome Assistantとの通信を行い、Pentair IntelliBriteカラーモードと完全統合している。

水温測定にはDS18B20センサーを採用し、配管内の水温をリアルタイムで読み取る。制御インターフェースはHome Assistantとカスタムウェブインターフェースの両方に対応し、物理的なアクセス用に防水ボタン(クイッククリーンと全オフ)も設置している。

特筆すべき機能として、AqualinkDを介したJandy JXiヒーターへのRS-485シリアル制御を実装している。これにより、プール設備との高度な統合を実現している。

制作者は開発過程で多くの技術的課題に直面したと報告している。リレー配線の問題、RS-485のグラウンドと終端処理、Raspberry Piが間違ったWi-Fi帯域に固執する問題などをデバッグし、最終的に「安定して非常にスマート」なシステムに仕上げた。

プロジェクト実施中には安全性向上のため、古い回路遮断器をGFCI遮断器に交換した作業も行っている。水回りでの電気制御システムにおいて、適切な安全対策を講じた事例として参考になる。

このプロジェクトは、高額な専用システムを購入することなくプールの自動化を検討している人々に向けた実例として共有された。市販のプールオートメーションシステムは通常2000ドル(約30万円)以上の価格帯だが、Raspberry Piと汎用コンポーネントを使用することで大幅なコスト削減を実現している。

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Reddit投稿(r/raspberry_pi)

FabScene編集部