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ラズパイPico 2が音声を聞いて話す、470KBで50語

音声で機器を操作しようとすると、たいていはWi-Fiとクラウドのサービス、それなりに速いプロセッサーが要る。Moonshine AIのPete Warden氏は、その3つをどれも使わずに動く音声インターフェースの一式「Moonshine Micro」を公開した。動かす先はRaspberry Piのマイコン「RP2350」で、単価は80セント(約130円)だ。

Moonshine Microは、同社が2026年2月に公開した音声認識の枠組み「Moonshine Voice」を、マイコンやDSP向けに絞り込んだ版になる。中身は3つに分かれる。人が話し始めて話し終わったことを見つける部分、聞き取った音を文字に直す部分、文字を読み上げる部分だ。いずれも小さなニューラルネットワークで動き、計算にはTensorFlow Lite Microを使う。3つは個別にも使える。

肝は消費するメモリーだ。Raspberry Pi Pico 2に載るRAMは520KBしかない。Moonshine Microは、この中の470KB程度で3つの処理を全部動かす。同時に走らせず、約384KBの作業領域を順番に使い回すことで収めた。文字を聞き取って読み上げるまでの遅れは、端から端まで0.7〜1.0秒ほどになる。認識にあたる部分は2つのコアで動かし、約1.6倍まで速めた。

ただし何でも聞き取れるわけではない。語彙は50語に限られる。アルファベットのa〜z、0〜9を表す英単語、それに「wifi」「ip」「yes」「no」「delete」「finish」といったコマンド用の単語だ。文章を続けて話すのではなく、1秒ほどの発話ごとに1語を返す形になる。自分の使いたい単語でモデルを学習し直す手順も公開している。

まとまった使用例も用意した。Raspberry Pi Pico 2 Wに接続先のWi-Fiの情報を音声だけで教え、接続まで済ませるものだ。ネットにつながっていない機器へ、キーボードも画面も使わずに設定を渡せる。

Warden氏は、2017年にGoogle Brainで始めた目標を挙げる。50セントのチップにフルの音声認識と音声合成を載せ、コイン電池で1年動かすというものだ。今回はその途中にある区切りだとし、単語ではなく文章全体の認識、合成音声の品質、意図の読み取りにはまだ課題が残るとしている。

コードはMITライセンスでGitHubに公開している。

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FabScene編集部

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