3時間40分でRP2040クロックをゼロから自作、PCB設計から3Dプリントまで全工程を徹底解説

FabScene(ファブシーン)| テクノロジーの「現場」を記録するメディア

ハードウェアエンジニアのRobert Feranec氏が、RP2040マイコンを使った7セグメントディスプレイクロックの設計・製作過程を記録した3時間40分の解説動画をYouTubeで公開した。このプロジェクトは、PCB設計の経験がない初心者でも、回路図作成からソフトウェア開発、3Dプリントまでの全工程を学べる教育コンテンツとして制作されている。

チュートリアルでは、無料のWebベースPCB設計ツール「EasyEDA」を使用し、インストール不要でブラウザ上ですべての作業を完結できる。Feranec氏は既存のキーボードプロジェクトをベースとして使用することで、ゼロから始める場合の時間を大幅に短縮する実践的なアプローチを採用している。

アドレサブルLEDと3Dプリントで実現する独自ディスプレイ

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このクロックは、各セグメントを個別制御できる高機能LEDを使用し、色と明度を自由に調整できる。7セグメントディスプレイの外観を実現するため、3Dプリントで制作したフロントパネルにセグメント形状の開口部を設け、白色ディフューザーフィルムを貼り付けている。

Feranec氏は「プロジェクト開始時はディスプレイがどう見えるか全く想像できなかったが、結果は期待を大きく上回った」と述べている。プロジェクトは3つのバージョンで段階的に発展し、最初はLEDのみ、第2版でRTC(リアルタイムクロック)チップを追加して時間記憶機能と精度向上を実現、第3版でブザーを搭載してアラーム機能を追加している。

CircuitPythonとWebインターフェースで簡単設定

ソフトウェアにはCircuitPythonを採用し、USB経由でのシリアル通信をサポート。ブラウザから直接アクセスできるHTML Webページを通じて、PCに接続した状態でクロックの設定を変更できる仕組みを構築している。

製造面では、中国のPCB製造サービス「JLCPCB」を利用し、ガーバーファイルのアップロードから部品実装まで、実際の発注プロセスも詳細に解説。一部の部品(ESD保護ダイオードとRTCチップ)は在庫がないため手動実装が必要だが、大部分の部品は自動実装サービスで対応できる。

3Dプリント部品の設計データとCircuitPythonソフトウェアはすべてGitHubでオープンソースとして公開されており、誰でも同じクロックを製作できる。

Reddit上では「3時間40分って、ボリュームがヤバい」「時間を見つけて必ず視聴したい」「クオリティが半端ない」といったコメントが寄せられている。ちなみに現時点では自動生成の字幕は英語のみとなっている。

関連情報

I recorded the whole process of designing and building this RP2040 clock(Reddit)

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